テキスト1967
48/100

スタージスは紫の花。花としては平凡だが茎の形が面白いので、この盛花は、茎の複雑な直線にねらいどころをつけて活けてみた。スタージスには小さい葉がついているが、それをほとんどとり去つて、茎の美しさの引立つように考えた。自由花形で、足もとのあらわな直線の立上り、あしらったテツボウユリの自由なのびやかな入れ方、野放図の様な据し方だが、むしろ反対に神経を使った花である。右の上へのびた百合の花の置き方と、前方の百合の花で調子をとつている。J スタージス、白百合実際の作品と写真となったそれとは、よほど辿つて見える花がある。この⑧の盛花はカン。ハヌーラの薄紫、菖蒲の葉の猿緑、なつはぜの黄みどり、この3種の配合が清哀な感じの美しさだが、写真では形のみしか見られず、平凡な作品となった。ガラス器を使って初夏の感じの深い取^11せだが、その感じが全然写真ではあらわれていない。中央にショウプの葉を括して、前と後方へ控えてナッハゼを挿した。R カンパヌーラ菖蒲の葉、なつはぜなつはぜ洋種あじさいの淡い紫紅色、黄はまぎくの淡黄、なつはぜは浅みどりに少し紅葉。花器は黄土色の盛花陶器である。ハイトランヂア(洋種あじさい)の鉢ものを抜いて根を洗つて剣山で留め、キハマギクは花首をマッス状に揃えて足もとをくくつて一とまとc あじさい、黄浜菊めにして揺した。そのうちの二、三本は別に挿し添えた。アジサイの花のかたまりと同じ心もちで、キハマギクもマッスに使ったが、全体が花のかたまりの様になった調子がわりの挿し方である。枝葉花を軽くのばして挿す方法、マッス状にかためて挿す方法。この二つはいけばなの主な技巧の方法といえる。c 4 @ R @

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る