テキスト1967
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c淡い赤紫の花がまる<集団をつくつて、自然の造形といった感じのアリウムの花。まつすぐな茎の線とまるい団花との対照は、植物の不思議を感じさせる花である。南欧原産のネギの一種だが、いかにもその地方の情熱を感じさせる花である。アリウムと濃紅のバラ、ナルコユリの葉を配合して、美しい色彩の中に弛い感じの盛花を作った。花器は淡褐色(土色)の新しいデザインの盛花器。立体調の花形だが前方ヘナルコユリ1本とバラ1本と入れ、後方へずつと控えてバラを挿し、かなり深い前後をつくつている。基本を離れた自由な形だが、これはアリウムの直立線に調和させた花形で、材料の個性を活かす様に考えて作った花形といえる。アリウム3本に花器の足3本は、わずらわしい感じがする。足のない花器の方がよかったと思つている。⑬ストレチアは極楽鳥花(ごくらくちょうばな)ともいう。南アフリカ原産のバショウ科の花である。オレンヂ色のこの花がすでに褐色に枯花となったもの1本に、アリウムの細い種類ものも7本を添えて、この作品は茎の集りに変った調子を見せた瓶花である。チョコレート色の変形花瓶に足もとの立ち上りをみせて、茎線の面白さを見せようと考えたもので、異国趣味の花材を、色と形で強調しようとし⑬ ストレチャアリウムc アリウムた作品。ストレチアは最近に流行りだした花である。出はじめた頃は面白い材料だと息ったが、段々みなれてくると、その形といい色といい、俗悪な感じであまり趣味のよい花とは思えない様になった。オレンヂ色の花は、どの花でもよくないものだが、ストレチアの場合も同じである。最近、新種の白花のもの、特に大輪咲きのものがみられるが、これは用い方によって、中々よく引き立つ材料。ナルコユリ3 ` ノゞ

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