テキスト1967
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①和室には窓とか、棚とかに変化のあるものが多い。伝統的な古い様式の棚など、ことに面白い変化のあるものが作られている。新しい建築にもその様な形をとり入れて、が多いが、そんな場所を利用して、よく似合っいけばなを活けるのも楽しいことである。写真の棚は6帖の座敷の一隅に作られてある書院窓であって、向う側は庭になつている。横はばのゅったりとしたこの棚に盛花を飾った。は白と淡紅色のバラ一種である。風雅に美しい形のもの向う明りになるので、なるべく花の大きい美しい花を活けると効果的である。左右が広くゆったりとしているので、花型も左右均斉の対照型に作ってある。に活けるのがよい。下は袋戸棚になつている。花器は乳白色のガラス花器。花やや低くめ3 2 ③これは和室の廊下のつきあたりに高卓(たかしよく)を骰いて、それに瓶花を飾りつけた。やや賠い場所なので照明具がとりつけてある。郎下は歩く場所であるから、この場所には、かけ花を活けるか。またはこの様に高い台を附いて、それに花を飾る様にする。写真の花は10月頃に活けた花だが、白色透明ガラス花瓶に、花材はモンステラの濃緑の葉1枚に、サンキライの赤い実付のもの1本の配合である。花ものの入ってないところが変つている。逆光の位岡を考えて、モンステラの黒く見える中の緑色、サンキライの紅を少しのぞかせて、渋い中に新鮮な味わいを見せている。③これはあるお宅の玄関を写した。はきもの入れを利用して、棚が作ってある。こんな場所には小さい鉢ものを置くのもよいが、小品のいけばなを飾るのもよい。写頁のいけばなは、壷の中へ剣山を入れて橙黄色の菊を7本ばかり、直立して括し、わざと足もとの葉をとり去つて変化を作つてある。16

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