テキスト1967
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花を飾る場合、飾りつける場所をきめてから、それに調和する花器と花材を選ぶのが、一ばんよい方法である。花型の大きさや、趣味の点においても適当な配合をつくることが出来る。和室の床の間の様に大体が定つているものは、普通に活けてから持つて行っても、どうにか調和するものだが、それにしても場所を考えの中に入れないと、ぴったりとしないものである。お稽古場で作った花を持つて帰り、それを似合いそうな花器を選んで活けるのが普通であるが、その場合は、あらためて飾る場所と花器とを考えて、お稽古で習ったそのままの花型で、しつくりしない場合は、あらためてよく考えて、寸法を切りなおすことも必要であろうし、3種の花を2種にして活け変えすることも必要である。花器と場所によく調和することが大切であるから、当然、そのままではよくない場合も出来るに違いない。要は場所にびつたりする様に応用の出来る考え方が必要ということである。ここに並べた多くの例題にある様に、変化のある場所には、いよいよ自分だけの工夫と考案が必要になってくる。いけばなの練習をすることは、結局、自由に応用のきく考え方と技術を蓄積することなのである。①洋室の中央テープルの盛花である。リーガルリリー、カーネーション、ガーベラの葉の3種で夏の花である。この場合は四方より見るといぅ条件があるので、裏表のない様に花を配置することが必要。また、低く花型を作ること、重くるしい感じの花でないこと。草花がよいということになる。明る<清楚な感じの盛花でありたい。3 .. い③いすを花の台に利用して飾りつけてみた。意匠的な考えであるが、すも形の面白いものは装飾の一部に利用して、花を飾るという一例である。黒褐色のいすに花瓶もそれに.. 調和する様なものを選んで、花は軽やかに、オレンヂ色のフリーヂヤ3本。堅い感じにならない様に入れた。形のいけばなよりも、色調のいけばなといいたい作品。2 4 14

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