テキスト1967
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R私の書斉の窓ぎわに机を置いて、それへ盛花を飾つている。の部屋だが、この窓から玄関と庭が見えて明るい感じがする。窓ぎわの花なので逆光線になり、細い線の花は引きたたない。逆光でも美しい色の見える様な花材を選ぷことにした。暗紅色のドラセナの葉と白の大輪菊3本の盛花。こんな場所には、カーネーション、テツボウユリ、グラジオラスなど、花葉のたつぶりとした色の美しいものがよい。6帖カラジューム、バラ、その次の小間に高い卓(しよくーー台のこと)を附いて小さい盛花を活けた。アイリス3本、なたね3本の小品盛花である。こんな通路にも使う場所には、低い台はよくない。高い台を使って立つて見る様な気持で花を飾る。ことに部屋の隅にある花なので、右方からも左方からも見ることになり、二正面の花を活けることが必要である。高い場所の花なのでみずぎわを美しく整えることに注意する。4 ④ステレオの上に照明具と小さい花瓶が飾つてある。壁面の小さい額との調和もよしい、バラソスのよくとれた装飾である。黄土色の花瓶にビニールのテーブルセンターを敷いて、花はカトレアを3輪。紫白色の美しい洋蘭の花が、全体の装飾を引きしめて、部屋のポイソトを作っている。葉は和蘭の葉をあしらが、軽快な感じがして効果的だと思う。渋い好みの中に、明るさのある装飾である。⑤洋たんすの上に飾った小品盛花°褐色調のシックな洋たんす。花器は褐色のやきしめの花賎で新しいデザインのもの。花はゴムの葉2枚にラッパスイセン3本を軽い調子に入れてある。落ちつきのある好みの中に、モダンな感じのある配合であるが、濃緑のゴムの葉と水仙の淡黄が、褐色のつてある中に明るい色調をつくつていると思う。全体の感じをよくみつめて、花を挿す技巧は簡単に作り上げた要領のよい作品。5 みかんの枝にカトレアをつけて活けた。花器は黒色に渋い朱色で図案を描いたもの。新しい形の花器である。部屋にあるワゴンの上に飾つて、柱の前へ置いた。オレンヂ色にカトレヤの紫と白色。レースカーテンの軽やかな白との対照がよい。部屋の中にある何んでもよい、それぞれを利用して花を飾ることを考えるのは、合理的であり、アパート生活にふさわしい方法だと思う。カトレアは少しぜいたくとは思うけれど。6 .... .... R③ 13

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