テキスト1967
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.• ,• 身である「立花」の花形から、うつり伝ったもので、日本の伝統花道の特長ともいうべき技法であろう。従って、これを美しく作ることが一ばん大切なことであって、その作り方にもいろいろな方法がある。掲載した「朝鮮まき」の生花の様に、木もの枝ものの足もと、また菊の様なためることの出来ない材料のみずぎわ、老松、八重桜、木蓮の様な太いぼくもののみずぎわ、細い草花のみずぎわなど、それぞれ考え方や技法を変えたやり方が必要となってくる。また、高い位置に箇く花、変った花器によってはみずぎわの作り方も、特殊な方法を考えねばならぬ場合もある。基本花型について基本花型は前号の括図の如く、1(真、副、胴、留、控)の五つの主要枝によつて作られる。2(七本の場合)は右の5枝に、真囲(しんかこい)見越(みこし)の二つを加える。3(九本の場合)は右の7枝に、胴のしずみ、総囲(そうがこい)の二つを加える。4(十一本の場合)は右の9枝に、内副(うちぞえ)留の沈みの二つを加える。以上は11本までの枝茎の配置の仕方であるが、そのうち、真副胴留控の五つは主枝で、その他の役枝は補助枝である。なお、3本で活ける場合は、真胴留の三つの位置に花型を作る。3本といった調子の生花である。(前号括固参照)メーンテープルに専渓氏菊3本、水仙3本、チューリッ。フ発会式風景。tこ 日本いけばな協会結成にあたっ経過報告事業報告財団法人日本いけばな芸術協会総裁推戴式•発会式東京都ホテル・ニューオータニ全国諸流派の大同団結によって、花道の新しい発展を企図する日本いけばな協会の発会式が、頭記の如く東京において行なわれた。昨年1月よりこの計画のために、東京、京都、大阪を中心とする創立委員によって、幾度となく交渉協議会がもたれ、日本華道の発展のために具体策が研究され、漸くその実を結んで創立されるに至った。文部省当局の特別の配慮によって、今後は、花道がすべての美術団体と同列の待遇をうけることとなって、高松宮妃殿下を名誉総裁にお願いするため、11月30日宮邸へ勅使河原、小原、池坊、山本、河村、桑原、早川、下田、吉村、池田の代表者が伺候。御承認を得た。12月5日、ホテルニューオオタニの大会場には全国よりの代表花道家が、約1000名出席°盛大な発会式が開催された。(発会式次第)発会のことば1966年12月5日ク万歳三唱あいさつク乾杯閉会挨拶祝辞理事長挨拶名誉総裁閉式のことば(午餐会次第)なお、当日、桑原専慶流よりの招待出席者は左の通りであった。桑原専渓桑原素子上野淳泉望月慶聡永田慶江岩田殷寿(事業計画)①財固法人日本いけばな協会設立記念大展覧会③日本いけばな総合審査展いけばな美術講演会④全国いけばな教授者実体調査⑤いけばな会館建設(継続事業)なお、日本いけばな芸術協会は中央本部を東京に置き、事務局は東京都神田駿河台主婦の友会館に開設さ小原豊雲氏れた。全国各地方の会員組織につい早川尚洞氏ては、本年度内において実現される桑原専渓氏予定である。勅使河原蒼風氏おことば高松宮妃殿下蒲生芳郎氏高橋誠一郎氏富永惣一氏山本忠男氏下田天映氏河村万葉庵氏石川数雄氏岡田広山氏早川尚洞氏秋期)安井謙氏(42年5月)(42年伝統生花研究のために「蛍雪会」をひらく瓶花盛花が盛んになるにつれて、伝統生花の名手が少なくなります。実に残念に思いますので、このたび生花の研究会を設立し、例月家元へ集り、専渓氏が生花数瓶を活ける実際を見学、その解説をきき勉強に資したいと思います。この会はその性質上、伝統生花に対して情熱をもつ人達によって結成し、研究の実をあげたいと存じます、参加者の多少は問題にしません。例月1回家元へ集る。伝統生花のうちその季節の重要なものを、専渓氏数瓶梧花、その解説聴講。参加者は作品を活けない。例月第1水曜日、午後6時開始9時終了.会の名称は「蛍雪会」会費700円(例月)入会資格(当流師範有資格者)入会希望者は(その先生の紹介R765432ーク祝辞を以つて)2月25日までに家元まで(係、素子)申込むこと。8 遠隔の方は宿泊が出来ます。桑原富春軒家元なお、瓶花盛花の研究会は例月第2火曜日午後、家元でひらいております。御参加を希望いたします。7 規定

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