テキスト1966
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①フォックスフエース、バラ2種の瓶花である。フォックスフエースはレモン色の実で「狐の顔」と名づけられた洋種の瓜の一種。ナス科のものと思う。グロテスクの形であるが使い方によっては案外、効果の出る材料である。上品な日本趣味にはあわない材料で、洋室の花として、その他、ウインドウ、会場の装飾花として適当な花材である。あしらいのバラは淡いピンクの花3明るい調子本。淡黄と淡紅と白色の壷。なんとなく明るい配合の瓶花である。なにしろ重量のある材料だから、花器のしつかりとしたものを選んだ。すべて、柿、ざくろの様な重たい花材は壷の重量のあるものを選択して倒れない様に考えることが大切である。花型も、材料の安定するままに、留まるままに形を作ること。そして、そのすきまにあしらいの花を入れるという考え方が、形よく安定した花を作ることが出来ることになる。① ② ②ザクロの枝2本、くるめけいとう4本の瓶花である。花器は黒色のガラスジョッキ。風雅な落着のある花材だが、花器をモダンな調子のものに変えてみると、意外に変った味わいが出て面白い。のすすき、てつせんをガラス器に入れたのと同じ考え方である。和趣の花だから渋い調子の壷などに入れ様とするのが普通であるが、それでは普通のよさしか出すことが出来ない。もつと調子の高い味わいを出すために、こんな花器を使うーという訳である。これは実用のものではない。装飾器物であつて、この場合は手を後方に向けて使った。上の写真のフォクスフエースと同じ考え方で、重みのあるざくろの実が、花器に安定するままに形を作り、そして3。ヘージそのたりない場所にあしらいのけいとうを入れて行く。主材に教えられて、根締めをつけるという考え方である。この方法が一ばん楽に入り、形よく作れることになる。けいとうの朱赤、浅みどりの葉ヽざくろの黄赤が美しい。ジョッキの形のガラス瓶であるが、. ・......) . クルメケイトザクロ1 フォックスフエースバラ10

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