テキスト1966
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①モンステラは和名で電信蘭という。根を土の中におろさず「気根」といて、ったの様に樹間に根をおろし、温室の空間上部に密普して生育する。すでに一般的となったこの観葉植物は、洋種の葉ものの中でも、使いやすい調和のとりやすい材料である。秋咲のグラジオラスのビソクの花の満閲のものを4本あしらつて盛花をつくった。花器は淡い褐色の腰高の花瓶°モンステラを二つとも前向きに並べて、その後方と右方にグラジオラスを入れた。咲いた花をわざと使ったのは、濃緑の葉に対し淡紅の花の集団を対照させ、単純な、し。二色の美しさを見ようとしたもの。の表を前に並べると形がよく、葉色が美しく見られる。(ゴムの葉も同じ)モンステラの葉は葉柄(ようへいー葉の足もと)の長いものであるが、花器の前部では葉柄の見えない様に短かく挿すと花形が作りやすせるのもよく、ダリアの様な強い色の大輪の花が調和がよく、洋間の花として明るい盛花を作ることが出来る。洋種の広葉の材料はこの様に、葉バラの大輪咲き五、六本と取り合Rモンステラを和趣味にとり合せた瓶花である。花器は白色の扁壷(ヘんこ)ーー扁平な壷ーな形の壷は口もとが横に長く、奥行が浅いので入れにくい。花型が平たくなりやすく、前の花葉が出しにくいものである。はげいとの淡黄と紅の交ったものを大小2本入れ、モンステラは中間に高く1本、後方の副の位置と左の前(留)へ1本と入れて調子をとつた。中問と胴に白菊を入れ、色彩的に美しい瓶花が出来上った。2 洋室にも和室にも調和する花で、かなり大きいから広間の花として適で、この様当であろう。①のグラジオラス、モンステラの盛花とは違って、この盛花の場合は中間の葉の葉柄を見せて、この高くのびた直線が、この瓶花の大切なボイントになつている。また、この瓶花は楽な調子に入っているが、よく見ると左勝手の韮本型になつている°副の長い花型(副主型)である。基本郡でもこの様にゆったりとした感じに入れたいものである。全部、丁字留で活けたが、前方へ出る花葉が入れにくかった。はげいとは、この写真の様にすでに終り方のものは、茎も硬くしつかりしているから水揚も大丈夫である。九月はじめの若々しいうちは、水揚もむづかしく注意が要る。花葉が色づき、しつかりとするにつれて水揚がよくなる。材料を選ぷ場合、なるべく太くがっちりとしたものを選択するのがよい。新鮮なものを水切りして、足もとを熱湯で煮き、その後、冷水にうつす。熱湯の中へ小品のアルコールを入れて煮くと水揚のために効果がある。7 モンステラ科名テンナンショウ科熱帯アメリカ花言葉怪物原産蓬莱蕉(ほうらいしよう)

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