テキスト1966
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テキスト26号27号に生花(せいか)の話を少し書いたので、そのつづきの話を書くことにした。今度は「生花を作る上に、注意するところいろいろ」という方面に焦点をおいて、いわば「お生花のコツ」といった気持で、二三回つづけてお話して見ようと思っ。すでに皆さんも御承知の通り、瓶花盛花と生花とは、花形の作り方も違うし、その技巧、考え方も独立しン卜① を活ける場合と、生花を活ける場合とは、全然、態度を別にしてやらねばならないものである。雑な約束があるとか、いわゆる伝統や、その技巧が、丁度、裁縫や編みものの様に、精密な技術がいるということであろう。出来上りの感覚のよい様に、つまり、平たくいえば「考えるいけ花」とで早く上達することは、先ず第一に技た生花だけの技法があり、瓶花盛花生花はむづかしいといわれるが、これは瓶花盛花でも同じことが言えるのであって、しいていえば、生花は枝葉を揃えるとか、みずぎわを一つに美しく揃えるとか、葉組みに復の形式があって、それを覚えること盛花瓶花は花材の配合も、形も、もいえる、そんな点に重点をおくところが特長である。そこで、生花を上手に作れること、基礎の花形巧が美しく仕上るように、手技の勉強をしつかりやることが大切である。どの花でも言えることではあるが、ことに生花はテマカシがきかなぃ。丁寧に美しい技巧で、その上、なにしろなまの花木を活けて形を作るのだから、花材のうるおいの落ちない様に、出来上つてから、いかにも清々として水揚のよい花を作ることが必要である。枝葉花に細かい技巧を加えるのだから、自然、時間もかかるし、花材をいためることになりやすく、それを、さらりとした態度と技巧で仕上げるには、余程、練達した経験と、手練がいるものである。以上に述べた様なことについて、項目を別にわけて、必要な考え方をお話しようと思うのである。R 四季の材料を考えてみると、随分種類が多い。木もので太いもの、細いもの、ため(まげること)やすいもの、ためられない堅い木、折れやすい木、まつすぐな木、垂れた木、葉の多い木、葉のない花木など、それぞれ個性の区別がある。草花にしても菊の様な花と葉のあるもの、女郎花の様に細い草花、かきつばた、花菖蒲の様な水草類、百合の様に細く花の大きいもの、おもと、水仙の様に低く葉を組んでつくる材料、ばらんの様に広い葉もの、活ける上に考え方を変えねばならぬ花材が沢山ある。その中に生花を習う初歩の人が、ためることまず最初にむづかしいと考える、花材のため方について話してみよう。があることは皆さん御存知の通りである。ここに掲げた「住花基本型」を見るように、桑原専疵流の花型があつて、それを目標として形を作るわけだが、凡そ、多くの草木を、どれもこれも、ためたりまげたりして花形を作るように思われやすいが、必ず全部が全部、ためて作るものでもない。自然のままに花葉や茎をいためない様に、ほとんどまげないで、花と葉を揃えて花型を作る場合も、かなり多い。大輪菊、女郎花、杜若、花菖蒲、しをんの様に、まつすぐな性質の花材はためを少くして、或はためることをせず、組み合せだけでit花を作るにあたって‘―つの型.. 4 .... 真R お生花のポイすいせんの生花正しい考え方せいか葉組みもの

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