テキスト1966
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冒――-==――――-_-――-=-――-=-=-=――――――――――――――――――――-___-――――――――――――――――c八月の中旬お盆の頃の花である。緑から黄色に変り、やがて朱色を交えて、この頃には風雅に俳趣のある姿となる。形のよいものを2本選んで、根じめには白の単弁の中菊をつけた。菊もなるべくひつそりとした感じのものを選んで、ほほづきの野趣に調和する様に考えた。こんな趣味には花型も濫和な落若きのある形がよいと思つて活けたが、花器もそんな感じの壺を選んだ。写真では白く見えるが実際は少し淡青の壷である。菊の葉がたっぷりとしてみずみず-=――――――___――――――――――――――――――――――――――――――-=―――――――――――――――しし材、0料は季節感の深い花であるが、瓶花としては湿和な作品である。鬼灯が朱く八月余日なし⑪褐色に枯れた草の実の枝つきのもの3本、白ききよう、シャガの葉の3種盛花である。花器は淡褐色腰高陶器。枯れ草の茎を高く左右にふりわけて対照的に立て、足もとに緑のシャガの葉をひろがりのある形に挿し、桔梗は前部と―――――――――――――――――――-=-―――――――――――――――――――――――――-=-―-=――-==___-――――――――――――-_―――――――――――――――――――――――――-___ __-――――――――-_____________-―-____――――――-=-=-______―――――――――――――――――――――――――――-=-―――-_ __ __――――-_____-――――――――――-________後部の二つにわけて、奥行を深く考えて挿し入れた。渋い好みだが雅趣の深い花である。夏より秋へかけて山野の草の誓子実の中に、いろいろ姿の面白いものが多い。枯花枯葉の褐色に、美しい色の花、緑の葉を添えて活けると、きわ立つて美しく見えるものである。ことに季節感もあり趣味の深いいけばなが作れる。道ばたの雑草の中に材料を見つけ出すのも楽しいものである。廃道の草の実はじけ昼ふかしさすがに8月に入ると花が少くなる。花屋の店に立つと、いろいろ沢山ある様に見えるが、これといつてめぽしい花材が少い。このごろいつでもあるのが菊。この暑いまつ盛りまで菊を活けるのかと思うとうんざりする。珍らしくもないが、その中にりんどうの美しく新鮮な色が、せめてものなぐさめである。8月24日、テキスト9月号の写真のために材料をあつめたが、この号で御覧の様に、はつきりとした味わいのものが少い。この号が皆さんの手許につく9月中頃には秋花の香り深い材料が多くなつているはずである。この号の花材は8月の花の少い春藻草の実白桔梗しやがナこ。__-――――――――――――――-=―――――――――――――――――――――――――――(8JJ28日記)――――――――――-___―――――――――――-_―――――――――季節に、材料の選択に苦心して活けてあることを考えて見て欲しい。大輪菊は乎凡なので使わなかつた。グラジオラスの反咲きの花は強いばかりで面白味がない。ガーベラの大輪咲を活けたが写真で失敗し水辺の芦の類、うきくさの類、以のかきつばた、山の実ものの中にむべ、あけび、.けいとう、女郎花、りんどう、すすきなど8月の好ましい材料である。この号は秋花の少し出まわる8月下旬まで待つて写真をとったので、皆さんのお手許には9月中頃になった。いわゆる晩夏の記録ともいえよう。7 ほほづき中菊D ,~~· C

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