テキスト1966
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Rァテチョークは洋種のあざみである°園芸品種で高さ2メーター位までのび、大きい広葉があって雄大な姿で、6月頃より初秋まで咲く。ぶ厚い葉を盛花に使うこともあるが、この花材のよい姿は、隆々とした初夏の頃よりも、この写真にあるように晩夏の少しすがれて、褐色と紫の花色が交った頃が、味い深く面白い。重量があるので注意しないと花器を倒すことがある。写真はアテチョーク2本、くるめけいとう3本の瓶花である。枯茎の褐色にけいとうはたっぷりとした黄みどりの葉。花は渋い黄色の花の中に、少し紅を交えている美しい花頭。アテチョークは褐色の中に、残りの紫があって、この二種の配合は明る<美しい。花器は濃い褐色の壺で新しい様式の形をしており、・全体が褐色系統の中に、浮き立つ様な浅みどりの葉。さびた黄と紅を交えた色彩である。花数も少<挿し方も至って簡単であるが、配合配色についてはかなり考慮が払われている。アテチョークの左右の2本に、それぞれ二つの花頭のついているのも、全体の感じを新しく見せていると思う。左方のアテチョークは前斜に出し、右方の茎は少し後方に入れ、その中央に、前低く後高くけいとうを入れた。A B これもAの作品とよく似た趣味の花である。シュロの実は黒く褐色に無数の群り、全体が房状はかたまったもの三顆。のバラを5本。葉の緑が新鮮な況を添えて美しい。花器は少し緑を帯びた褐色の新しい形の盛花器で、シュロの実と殆どよく似た色の花器である。渋くモダそれに赤色の濃い花ンな褐色調の中へ強い赤と緑を加えた色調で、色彩的に面白い惑じのものである。花那はシュロのまる<ずんぐりとした群りの特徴をとらえて、のばさずかためる形。そんな考え方で作り土げた。バラの花は夏咲の、いかにも弱々しい感じの材料だが、もっと豊かな花であれば、この盛花の特徴を強くあらわすことが出来ると息う。2 AB 夏から秋へかけて風雅な感じのものが多く見られます。実ものや枯れ花をうまく配合すると,趣味の深い花が作れます。アテチョークばらくるめけいとうしゅろの実R実もの枯れ花

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