テキスト1966
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空の上には白い白い光にみちたお日さまがいっぱいでそれはもうたいへんお暑うございますあついのは夏のさだめでとやかくいうのも可笑しなものでそのうえげんなりしていても始まりませんからあつい日はあつい日なりになにかと愉しむ方便をかんがえねばなりますまい真夏のお花としては白とか緑なにかと様子よくみるからに涼しげなものが良いのですがしずんだ真紅の花をアクセントにいたしましてもおもしろいいけばなが作れますカッカなさるお天とうさまにかわってご自分の宇宙を描きその中におのれの太陽を見たてそれをお花のすがたであらわすのも一つのてだてかと存じます朝やけ夕日涼しさもひとしおの時刻にはお日さまもロマンチックな装いとなり秘めた情熱があかく染まるがごときです上の作品はすず風にそよぐあわの穂そしてふかい赤いろの花弁グロキニシアを足もとにしづめましたまたこれとてもうつしよの風娯ではなく、おのれの心象スケッチとお考えください金粉をちりばめたギヤマンの鉢はゆたかな水をたたえ涼味もひとしおです下の瓶花は民芸風のしぶい緑釉のたれた壺さわやかな淡いみどりのしだの葉ぽつかりと咲いたてつせんの白花がここちよくどのような案配に挿しましても姿のきれいなお花となりますてつせんはここでは支え竹にまつわりついたそのままの姿ですが竹をとりなよやかなつるのリズムを愉しむのもよいでしよう夏のお日さまの。フレゼント白い私のお日さまがここちよく見事な花をひらいたのです2 (盛花)あわグロキシニア(瓶花)てつせんしだの葉赤い太陽白いお日さま

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