テキスト1966
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纏濤喝4峯なります。また、さきに述べた様に四季の花材の中には、花、葉、樹、実、枯花、枯葉など複雑な色の材料が随分多い訳ですから、これらをどう組み合せて、美しい色調をつくるかということは、大変むつかしいことです。ここに、花の色彩の芸術が生れて来ることになります。瓶花(びんか)盛花(もりばな)は、俗に自由花といわれます。自由にどんな花型でも活けてよろしい、という意味でありますが、私はこの自由花という言葉はあまり好きでは基本型ありません。たしかに、作者が思うままに作るという意味においては、その通りでありますが、作者がその気持のおもむくままに挿けるというのは、いけばなの最高の最奥の段階であって、それまでにはしつかりとした約束を十分に身につけなければなりません。十分の研究をなしつくして至る段階が、盛花瓶花のほんとうの目的でありますから、自由花という言葉は、その真実をいいあらわしている言葉とは思いません。なにごとにもあれ、稽古はまつすぐの道を正しく進むべきものであります。盛花瓶花は自然を尊重する花でありますが、上達するためには正しいルールを守つて、徐々に勉強して行くことが大切であります。従つて最初は型を習うことになります。盛花瓶花の練習上の基本花型を習つて、それ―つづつ練習しながら静かに進んで行くのが一番早く目的に到達することになるのです。練習の順序として盛花より入って行くのが解りやすいので、盛花から習うことといたします。ここにある盛花の写真は初級の基本花型です。(材料)白菊、あじさいぎぼうしの葉(花型)左勝手基本型盛花基本型は六つの主要枝より成り立つています。(写真上より)(N01)真(しん)2本(中央に)(N02)胴(どう)1本(左前)(N03)留(とめ)右方1本と前2 副(そえ)2本(左方斜)白菊を入れる中間(ちゆうかん)1本中央に入れる、アジサイすそに1本入れ、最後に後方に1本入れる(控)ギボウシの葉3 7 X X

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