テキスト1966
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アリアムの細い茎を12本、洋種あじさい(ハイトランジャ)を7本とり合せて褐色陶器の鉢に入れる。この盛花のねらいは、アルアムの細い線を数多く挿して、その直上線の配列の美しさを見ようと考えたのであった。剣山を花器の中央に入れて、アリアムの茎線を揃えて挿しながら、その茎と茎とのすき間に変化を考えながら挿して行く。上方で花頭の集りにも、高さにも変化を考えながら、右方と左方に1本づつ、外向きの曲線を入れて形の調子を考える。全体を少し前へ傾けて、後方にあじさいの入りやすい様に作って置く。これで大体、アリアムが入ったので次にあじさいを入れる。左方に大きい花首を前斜に挿し、その後方に重ねて1本入れ、アリアムの線を通して見える様に考える。中央はアリアムの花の美しく見えることが、この盛花の目的なので、その前と後には花を入れない様にして、直線の茎とすきまをかくさない様注意する。右方にあじさいの花頭を―――つ後方と右横に入れ、最後に左前低く小さいあじさいの花葉を入れた。軽やかに美しい盛花となったが、こんな花型は花器が深くたっぷりとした形のものが活けやすい。盛花を作る場合、大部分は枝線や水ぎわをこの様に、特に考えないのが普通である。しかしこんな性質の草木は足もとをかくさず、むしろ、その美しい枝の線、茎の線を積極的に活かす様な活け方をしたいものである。そんな例題の一っとしてこの作品をつくった。〶グラジオラスあじさいぎぼうしの葉ビンクのグラジオラス3本、アRRジサイ2本、ギボウシの葉2枚の盛花である。対ベージの笹百合につけたギボウシは(サジギボウシ)の葉で、この写真のものはミズギボウシの葉である。グラジオラスは活けにくいもので、平凡に立てるのはなんでもないが、これで変った調子を作ろうとすると中々むづかしい。この写真ではグラジオラスを2本、真の位置に入れ、別の1本の切つさきを折りとつて開花だけ低く、左方の留に入れた。この留の用い方が変つている。足もとに花をかためて使ったわけである。あじさいを2本、左右に高く入れ、ギボウシの葉は中央に1枚、副の位置に1枚入れた。このギボウシの葉の用い方も中々むづかしい。広葉の材料は葉の向け方にいろいろの工夫があって、それによって花型がすつかりよくもなり、悪くもなる。シの葉の3種の配合は、平凡な配合で材料の形に面白味のないだけに、用い方の工夫が大切になる。この材料をどんなにして活かすかということについて、特別の考え方が必要となってくる。のものがよいーの盛花の様に平凡な材料を、活け方の工夫によってよくする花もある。グラジオラス、あじさい、ギボウアリアムとあじさいの様に配合そという場合と、こ5 R アリアムあじさい

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