テキスト1966
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R5月からは草花の季節である。木の花が終り、これから夏へかけて咲<草花のシーズンのそのはじめである。草花はやさしく美しく祈楚な味わいがあり、和種の花も洋種の草花も軽やかに、美しい花を数少く入れる考え方がよい。花器も薄手の花器、小品の花器、ガラス器、籠の様に軽やかな惑じのものが好ましい。たっぷりとけんらんとした感じは春の花に。淡白清爽の味わいは初夏から夏の季節に。自然の雅趣を味わうのは秋の花に多い。従ってこのテキストのいけばな草花の季節思う。写真もその様に変つて行くに違いない。注意してご覧になるのがよいとここに掲げたRの写真は(ムギ)(チューリッ。フ)の二種盛花である。緑色のムギの色と、チューリップは淡紅色の品種の変った花型の材料である。花器は青磁色の菓子鉢゜あっさりとした色調の配合で業のすそもとにたっぷりと水の見えて泊爽な惑じがする。カキツバタに白菊。花麿蒲に青楓の様に自然趣味の中に、しずかな花色と、たつぶりとした緑の葉を交える配合は季節的に好ましい。ことにムギ、カキツバタの様に直線的な草もの材料はなんとなく清楚の惑じがする。R R-Bこの瓶花は豊かに美しい晩春の花である。バラは紅色5本、クリスマスローズは渋い浅みどりの花。から咲ぎ始めて、すでに花季を終ろうとしている残りの花である。北欧のクリスマス咲くこの百合科の花は、ばいもの花によく似て、しずかに上品な花である。近垢、茶席に日本名をつけてかけ花などによく使われる。花器は褐色のやきしめ花瓶。派手な美しさの中に、しずかな落着きのある花である。手ばなしの派手さでなくて、それをぐつとおさえて上品な味わいを出そうと考える。配合の上にそんな注意も必要である。2月(2月)の頃にi (盛花)ムギチューリップ(瓶花)クリスマスローズノゞラ

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