テキスト1966
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cヵュウ3本、紅ボケ3本、紫紅色ハラ4本の盛花である。花器は褐色ヤキシメの水盤で渋い肌色でありながら、形が単純なので明るい感じに見える。この盛花も少しくせのある花である。バラには少し緑の葉があるが殆んど少い。全体に葉の少いしかも美しく、強い色調の配合である。この写真では感じがわかりにくいが、四つのバラが大きく強い紫紅色で、花の集りがモダンな惑じを作り出している。ヵュウの緑の軸とボケの褐色の枝線に対して、パラの花の集りが、前向きに積み重なって、普通の盛花にない花の配列をしている。この様な普通でない(しきたりでない)使い方をして、そこから異った惑じを出そうと考えているのであるc見る人もこんな点について注意をして欲しい。っぽみのバラでは出すことのできない味である。勿論、つぽみのバラの葉の美しいものを、このボケとカユウの前後につけたならば、上品なよい盛花ができるに違いない。それもよい。それもよいが更にこの写真の様な創作的な気持ちをもつ盛花、これも必要である。盛花瓶花の創作はこんなところにある。とができないが、以上の作者の気持をよく理解して欲しい。そして、意欲的なよいいけばなを作られんことを希望する。四つこれと同じ様な形で積み重ね、ボケやカユウをとり去ったならば、面白いかも知れない。皆さんが自分の材料を持ったとき、こんな想像が実際に作られる様、期待します。白黒の写真では充分お伝えするここの四つのバラの上に、更に三つc 北と南(お手紙より)京都へ参りますと暖い腸ざしをつくづくと味わいますが、私どもの丹後では雪が2尺ほどもつもり、花器の水が氷つて、水仙やなたねもぐんなりとしおれた様になり困ります。与謝郡三河内太田はるえ(お答え)花器の水が氷ると、草花は吸水することが不可能になりますから、しおれることになります。水揚ということは要するに、スムーズに吸水させることですから、まず花器の水を氷らせない工夫が大切です。花器の中ヘアルコール液、叉は酒類を小戯入れておくと、比較的、水が氷りません。また、すでにしおれた草花は紙に包んで微湿湯に小時間つけておくと、回復します。徳島県鴨島町児年ごとに暖かくなる様な気持ちがいたします。そんな加減が花の日持ちが悪くて困ります。チューリッ。フなどもすぐひらいて見苦しくなります。バラもあまり持ちません。部屋には暖炉を入れております。(お答え)部屋の濫度が暖かすぎる様ですね、なるべく暖炉のない部屋に置いて下さい。花は寒すぎても、暖かすぎても水揚が悪いのです。湿室ではその花の適当の湿度を考えて栽培しているのですから、その花の季節の湿度以上になると日持ちが悪くなります。玉好子7 ラッパスイセンソデツ⑪ ラッパ水仙9本,ソデツの葉3枚を,白泥色の腰高盛花器に活けた。ソデツの猿緑をまん中に,ラッパ水仙の淡黄を上に,花器の白を下に,三部にわけて,水仙の葉の白緑が中問色として,それを結んでいる。て,ソデツは前向きに色の鮮やかな緑を見せて3枚を重ね合せ,横巾をひろげない様に考えつつ,立体調の花型を作つた。cの作品と同じく創作的な気持ちで作つた盛花である。この盛花は水仙の花を上部にあつめボケカユウノゞラ

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