テキスト1965
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「出生」|しゅっすいせん(水仙)の生花は葉を組み合せて一株をつくり、さらにその株を一――つ五つ、寄せ合せて花型をつくる。伝統華道にはしようー|と云う言葉がある。その意味は、その花材のもつている性質、その花材の独特ななりたち、な意味の言葉である。水仙は一株に四枚程度の葉が自然に組みあわされてできている。これが出生である。かぎつばたは三枚一組、五枚一組が出生である。と、こんなに云う。水仙の生花には一株を作るのに①三枚組の株③四枚組の株(花を入れる)この二た通りの葉組みを作り、それを、真、副、胴、道では「袴」ーその様(花を入れない)留、控の位置に挿して、花型を作る。根もとにある白い株の部分を、花はかまー_と云う。株をよくもんで袴を抜きとり、次に葉を四枚又は三枚、この袴に入れなおす。このとき葉の長短を考え、格好よく整えて入れる。ここに葉組の技巧が必要となってくる。ここに掲げた一――つの「水仙生花の図」は、いずれも葉組みをした株をよせ合せて、花型を作ってある。ょく練習しないと、上手な築組みが作れないものである。花器をかえていろいろの花型に活けることができる。④一重切R二重切⑨二管筒⑦かけ花などに活けるのが多い。竹箇や水盤に活ける場合にも、花型をいろいろ変えて活けられるし、三本五本七本と数の多小に依つて花型も変つてくる。かけ花に2本ほど葉組して活けてあるのも軽く美しい。竹箇に真(しん)のくばり木をかけて活ける。真のくばりと云うのは前後まつすぐにかける配り木のことで、この場合は留、胴、副、真、控の順序で前方より後方へ入れて行すいせん生花の種類①竹箇R壺③水盤竹筒に活ける(1図)く。①の図は真と胴に花を入れ(葉組4枚)副と留と控に3枚組の葉株を用いてある。真副胴と3本花を用いてもよい。袴の高さは季節によって変えることとなつている。初期の頃は低く使い、盛季になるにつれて高く上げ、季節惑を出す。(どの花型も同じ)3 2 はそれぞれ四枚組み。重切竹の一重切(いちじゅうきり)に水仙の生花を入れた。この竹は四角型の竹で中々入れヽこくし、0竹器にふれない様に入れることが大切。真、副に花2本を入れて葉留に一――枚葉の葉組を入れた。三体で形をとと(2図)のえる省略した花型である。るとよい姿だが、中々むづかしい。水盤にもいろいろの形に活けることができる。花器の大小によって一株挿3本5本7本二株挿5本7本9本二株はかぶわけと云つて、主株(おもかぶ)と子株(こかぶ)にわけて、中央の空間は魚道(ぎよどう)と云つて、美しい空間をあける様に注意する。⑧図は右勝手の魚道生であって、主株5組、子株3組で作ってある。主株に花3本。真副胴と入れ。子株に花2本。低い真とやや高く右へ煩けて副に入れる。この子株は独立して左勝手の花型を作るが、この子株全体が、水盤の中の留の役割をしていることになる。—水盤(3図)出来上5 すいせん一重切の生花葉は竹筒の生花水盤株分挿組;;、ー...---/

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