テキスト1965
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.. 992ん1の医は葉蘭7枚を右勝手(行の花型)に活けた生花である。この図の黒い部分は葉の裏、白い部分は葉の表である(以下の図も同じ)真(しん)副(そえ)胴(どう)留(とめ)控(ひかえ)真囲(しんかこい)総囲(そうかこい)に一枚ずつ葉を入れる。葉蘭の葉には中央に葉軸の線がとおつている。その葉軸を中心に見て、広い葉があり、る。―つの葉蘭の生花には、この左右の葉の用い場所が定つている。美しい花型を作ろうとするには、この右葉左葉の使い場所をしつかり覚えておくことが必要である。ばらん(伝統生花)右の広い葉と左のこのどちらかに属す(7葉)7枚の葉のうち(真、副、留、控)は葉の横の見える様に用い、(真かこい、胴、総かこい)は葉の裏が前方に見える様に活ける。(裏から見て右の広い葉は)真、留、控の三ところに用いる。(裏から見て左の広い葉は)副、真かこい、胴、総かこいの四ところに用いる。以上の様に葉を用いると、花型が美しく作れる。一瓶のばらん生花には葉の大小をまじえて活ける。図の様に総かこい、控には小葉を使う様にする。7枚の葉蘭を活けるためには、10枚以上の葉を用意しないと格好のよい花型が作れないものである。特に小葉を選んでまじえないと、よい花形が作れない。くばり木の穴を小さく作ること。横くばりは必ず、竹又は細い木片をかけること。水際(みづぎわ)は12センチ程度がよい。2図は9枚の生花である。型の上へ2枚増すわけだが、この2枚は見越(みこし)真と副の後方高く胴のしづみ胴に重ねて中へ以上の場所に入れる。第2図の様に見越は後方をまもる葉、胴のしづみはふところをたっぷりと作る。見越は葉の表から見て、左の広い葉を\にー:[/``' .JL 9口 ... :,;,'ばらん(9葉)2 使う。し、ーつみ薬は左右どちらでも形のよいものを使う。この9枚の図の控を見ると、破れ葉を使ってある。(やれ葉)これは自然に破れた葉又は枯れ葉を使って、花型の風情をつくる訳である。普通の小葉を用いてもよい。葉を手で破つて控に使うこともある。(虫くい葉)という。3図は11枚の花型である。これも9枚の花型の上へ2枚増す訳で、この2枚は7枚の花内見越(うちみこし)真の裏へ入れる葉。留のし‘‘つみ以上2枚を入れる。また、この2枚を真の葉に重ねて1枚、胴のしづみとして1枚入れてもよい。11枚になると株が少し太くなるから、くばり木の穴を少し大きく作る。ばら(11葉)留の中へ入れる。葉蘭は葉ぐみもの生花の中でも難しいものである。緑一色の材料で美しく見せようとするには技巧の美しさで見せるより方法がない。それだけに、日本花道の中でも特徴のあるいけばなであり、錬磨を要する花であるといえる。葉をよく選んで、葉の向ぎ、ねじり、沈み、奥行などバランスのよくとれた花型をつくる°都会の花屋ではよい葉が殆どない。よい葉蘭を活けるためには、庭の葉を切つて活けるのが最も理想なので、農村に適した材料であろう。13枚又は15枚程度までが上品に見られ、多く活けるほど品格が下がる。普通の家庭の花としては、9枚程度が最もよい。花器は竹のずんどう、一重切筒、二管箇、に活けることが多く、水盤に活けることもできる。生花としては初心者の習うものでありながら、何十年経ても難しいのはこの葉岡の生花である。ばらんの技巧4 3 生花講座(9 葉)(11葉)(7 葉)

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