テキスト1965
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し、0J .. 同じ花でも昼にみるのと、夜みるのとでは随分違う場合がある。梅、寒さくらの様な褐色の枝ものは、電灯の光りでは昼みる風雅さや、美しさは全然感じられない。かきつばたやりんどう、桔梗の様な紫色の花もただ黒つぽくわびしい3女郎花、紅葉の寒菊の様に小さく黄色の花も、昼間に自然光で見るのとは全然、色彩も引き立たず、豊かさも感じられない。これが蛍光灯だと、一そう、色が悪くなる。蛍光灯では赤色系統の花、褐色系統の花は殆どといつてよいほど、色が沈んで見える。昼間あれほど美しかったのにと思うと、がつかりすることがある。これにひきかえ、白色系統、淡紅色の花はどの賠明でも美しく見える°淡い空色、レモンェローの淡黄色などどの場合も美し夜のためにいけるいけ花も相当多ぃ°材料をよく考えて色調の美しく見える花、照明の下でも感じよく見られる材料を選択することが必要である。ほととぎす、野菊、とりかぶとの様な渋い花は、夜の花として適当ではない。理想的にいうと、夜の花は大輪咲のはつきりとした花を単純な形で活けるのが最も引き立つ様である。山つつじの様なこまかい枝葉のある材料が一ばん悪い。赤色のカーネーションを蛍光灯の下に置いた場合、全く嫌な色に変化する。照明c@は緑褐色の丸い壺°花器が丸くどつ山藤の実1本、白大輪2本、白中菊2本、紅中菊2本の瓶花。花瓶この瓶花は創作的な面白い花形でので、花の入れ方も思い切つてある。山藤の渋い褐色の枝と実を前方へ強く倒して、その後方の芹右にではこの様には入らない。花器菊をふりわけて入れた。左方は大輪はいろいろな形のものが欲しと中輪菊を左方へ強く傾けて、そのい。普通は細長い花器が利用がバランスは右方に軽く紅菊でとつて多いが、変った思い切った花形いる。中々むづかしい格好である。を活けよ思うと、それをささえこの様なバランスはとりにくいのだて、自由にひろがりを作ることが、これは藤の枝を見たときに定めのできるたっぷりとした花瓶がた形で、いわば藤の調子に乗って、じ菊の形をきめたということである。"自由に使えるわけで、細い花器必要である。しりしているc アカシャにビンクのカーネーション6本の瓶花である。花器は赤褐色の陶器°巻頭に掲載した立花の花瓶と同じ花器°用い方によってはいろいろ使い方があるものです。立花の場合はこの花器の中へわらをつめ、それで留めてある。このアカシャの瓶花は足もとの葉を殆んどとり去つて、茎の線を見せる様に考えた。下まで葉をつけて活けると平凡で面白味がない。上方の葉つきの枝を左右前後に垂れさせて、変化のある形を作っている。アカシャをこんな形に入れて御買なさい。意外なよい形が発見できます。足もとの花器の口辺に短いアカシャの枝を入れ、大体の形をとつてから、カーネーションを入れる。アカシャの形を見合せながら、左方に長く1本、中央た。長短と花の配列に注意することが必要である。でき上つてみると軽やかで明るい瓶花となった。普通のおけい古に使える平凡な材料だが、こんなに工夫すると、個性のある面白い瓶花がつくれる。線を活かすことと、花の配列に工夫のある作品。に4本、右方低く1本を入れ5 D

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