テキスト1965
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昨年9月に文団懇のパーティーが、同じ都ホテルの。フールサイドで催されました。これも大変盛会だったのですが、会後の集りの際に、あのプールになにか花の装飾をすればよかったですね、とお話をしたことが、今年は是非にと頼まれて、とにかく引受けた次第でした。作品というほど大層なものではないのですが、高さ5メーター、ー程度の水に浮く「いけ花装飾」をつくった訳です。この写真にある様に中央のトーテムの様なものに、すすぎやその他の花をつけ、下の方にある花輪の様なものは6個、別々に離れて水に浮きます。水の上にゆれ動いて、水面に色彩のある影をうつし、いよいよ夜に入って、色彩桑原専渓完溺作る周囲5メータす。照明が投光されると、中々美しいロマンチックな「水の花」となりました。この水上の花は「動く」ということを条件に入れて考えましたので、特に踏水会のお娘さん方をお願して、水中演技をしながら、中央の作品をぐるぐる廻したり、6個の花輪を美しい水泳のフォルムのうちに水の中を、或は集り或は離れて動かせ、リズミカルな演出となりました。ハーS楽団による音楽はさらにふんい気を盛り上げることに大変効果があったと思っております。こんな「花の装飾」はいったい「いけ花」なのでしようか。次の号に「いけ花の範囲」という点に、問題をひろげてお話をしたいと思っていま水の花毎月1回発行桑原専慶流No. 34 編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1965年10月発行いけばな

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