テキスト1965
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の0kをきいてやっと終了、身も心今日は京都放送局でビデオとりの日である。午前6時起床。きのう植物園で頂いて帰った「朝顔」の花がどんなに咲いているだろうと、心配しながら庭におりる。5種ほどある花の咲き方がどうも気になるが、さすが珍らしい品種で目もさめる様に美しい。放送のための花器その他の要具を揃える。庭の「むくげ」を二種類きりとつて、すぐ水揚をする。7時すぎ、素子、阪本、広庭、沢の皆さん来宅。まもなくNHKより車が来る。ジオにつき、暫く休んでのちプロデユーサーの人達を交えて放送進行に関しての打合せをする。今日は朝顔とムクゲの「夏の特殊ないけばな」のテレビ放送を録画することになっている。15分ほど打合せの後、セットの状態、道具花材などをしらべて、化粧室に入る。撮影効果のいいようにドーラン化粧をする訳である。まもなく始めましようということになって、強い照明のかかったセット台の上に登る。始、15分番組だけれど打合せや変更などいろいろあって30分で終了。少し休んで10時より本番撮影に入る。今日は私がはなしながら花を活けることとなっているので、中々むづかしい。漸く終つて後、大阪放送部ある花の日8時、予定の通りスタ9時開もくたくたになって別室のイスに、身体を投げる様に座る。正午前に帰宅。花器をおろしそのままの車で花屋まわりに出かける。今日は午後より「テキスト33号」のいけ花写真を撮影することとなっている。その花材を集めに行くのである。テキストの作品写真の花材はいつも花屋まかせにはしない。ことに―つの店で注文しておくと花材が片よって、面白い花が手に入らないので、市内の一流花店を十数軒も廻つて、自分の活けようと思う花、来月のテキスト編集に適する様な花材を、車の中で考えながら、目ぽしい花を次から次へと買い集める。車に一。はいになるほど買い込んで、1時頃帰宅、食事休けいの後、早速いけにかかる。写真の田中氏は早朝から行動をともにしてもらつている。次から次へと活けては写し、その間に教材として適当な花型や花器、編集方針を考えつつ活ける。午後10時まで20種類の作品を撮影し、汗と疲労にまみれながら、やっと今日の日を終る。テキスト32号は今、印刷中である。今日撮影したのは33号の写真。これで五日までに原稿終了、印刷ができるのは八月二十日頃(下の写真)右タニワタリゼラーーユーム左ビジンショウユーカリだろう。(専)る。こんな成り立ちである関係から、瓶花は技巧的ないけ花であることがその本来の性格であり、投入花の自然趣味や幽静な風雅を楽しむ花と、考え方が違うわけである。今日、私達が活ける瓶花は、以上にのべた古風な南画趣味の瓶花ではなくて、近代的な性格と新しい形、色調、感覚をもつ花である。カ」とはいわないで「ビンカ」と呼ばせるのも、昔のものとは別箇の内容をもつ花、という意味もある。私達の桑原専愛流では、技巧的な形と、近代的な惑覚をもつものを「瓶花」ビンカ、と呼び、籠入れの自然趣味の花を「投入花」ナゲイレバナ、と呼ぶことになっている。以上がこの二つの言葉に対する定義ともいえる。籠の投入花は、その出発点は無技巧のいわゆる投げざしであったが、今日の投入花は決してその様なものではない。籠入れの花であるから、瓶花にくらべては、風雅にざんぐりと、自然趣味に活ける花であっても、その技巧の少い様に見せる形の中に、かくれた技法がいるもので、これはこれのむづかしさがある。自然趣味の雅致ある籠の花。これが投入花である。「ヘイ7 井

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