テキスト1965
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け、朝顔の「向う懸」ー~ムコウガケし、0R柿、栗、びわなど実つきの枝を瓶花盛花の材料として使うことが多ぃ。ぶどうの枝つきのままで活けるのも面白いものだが、も中々美しい°緑のぶどうよりも黒<紫の実は色彩的にも美しく、花材との調和もよい。Aの写真は果もの屋で買つて来た紫のぶどう2ふさ、カラジュームのある。8月に入ると花材の品種も少く変った花を活けたいと思うのだが、中々材料がない。と思いつつふと通りがかった果もの屋で買ったぶをうだが、さて活けてみると色彩的に美しい瓶花がでぎた。花器は黄土色の珍らしい形の花器で、その陶器の肌の上に黒いぶどうを重ねて、色彩の効果を考えた。花器が高いので、ぶどうの房が下つて葉3枚、タメトモユリ2本の瓶花で実だけ使うのも、丁度バランスがよかろうという考えである。とにかくこの花器は、細く高い花器なので上方はつとめて低く作り、横にひろげるか下にさげるかの形に活けないと調和しない。ぶどうがもう一ふさあれば、花器の後方の左から半分ばかりのぞかせて見せると、もっとよくなるに違いなぶどうとカラジュームの葉は形も色も配合がよく、これにダリアでも加えたら、美しい花がでぎるだろう。このぶどうは木の枝に結びつけ、その木を花瓶に挿してある。その結び目のところを、中央のカラジュームの葉と、百合の花で重ねる様にしてかくしてある。あしらいの花材をかえて活けても、面白いものができるだろう。野菜籠に盛り上げる様にして活けた3種の盛花。びどう2ふさ、紫キキョウ4本、クリハラン4枚。クリハランはシダ科の葉もので庭の下草。白竹のだ円型の籠に落しの水入れに剣山を入れて、なるべく低く平らな形に挿した。落しの容器をぶどうの実で押える様に乗せかけて、形もよく重味のつく様にと考えた。この盛花は花材の配合も容器の籠も温雅な趣味の取合せだが、R⑧ うの実ほ、その形といい色といいモダンな惑じのものであるから、例えばガラス器の平皿、洋風陶器の大皿に、(ダリア、ミリオクラタス、ブドウ)という様な配合にしたならば、新しい美しさをたたえた盛花となるに違いない。(カラジューム、プドウ、バラ)う。ステンレスの盆に飾るのも感覚的に美しいと思う。ぶどなどもよく調和するだろ,1のかけ花を活けました。2ページの写真は竹のかけ花器に活けた朝顔です。この花器は「ま竹」で作った一重切です°竹器は竹」||モウソウーーーで作られてあるのが多いのですが、ま竹は(はだ)も美しく上品な感じがあるので珍重されます。この竹器は京都の有名な竹器師の作品で、この一重切は「長袴」という銘があります。この竹器を前へ向けて壁面にか前の。ヘージで話しました様に、この朝顔は昨日の夕刻に切りとり、活けた花が、今朝、花器の中で咲ぎました。画に書いた様に自然にみづからの形をつくります。ととのい過ぎるほどのよい形ですが、これは自然が自分で作り上げた形です。花の色は青色で、竹器とよく調和しているではありませんか°床柱にかけ花器をかけると、花器は正面から見て横向きになります。この場合は「横がけの花」叉は「柱がけの花」といいます。8。ヘージの朝顔は小品花として活けたものです。花器は「ツルクビ」の陶器で深い紫色の花器です。朝顔は淡紅の大輪咲で、この花は活けて開花の後に、不必要な葉をとりさりました。小さい床の間に薄板をしきその上に飾れば、調和がよいと思います。朝顔のかけ花「孟宗R3カラジュームタメトモユリブドウクリハランキキヨウブドウ

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