テキスト1965
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(-―R白泥色に淡い褐色を染め上げた大きい鉢である。口径35センチ、高さ17センチのたっぷりしたもの。普通の花器としては大きすぎるが、この大鉢にすっぽり入る様に花を沈めて入れてある。ひまわりを前向けに並べてその前方ヘサンキライの渋い赤い実。カラジュームの葉をこれもヒマワリの前へ足もとを重ねて挿した。花型も色調もなんなく変った調子があって面白い。その中に新しい感じをうける。サンキライは8月に入っても実は黄緑である。この材料は昨年晩秋に採集して保存してあったもので、この盛花に美しい落着のある色を加えている。この花器は大きい形でありながら、花器の橡が薄く造られている。この花器の橡の曲線にくぎられて、ひまわりの花が沈んで見える。この辺にこの盛花の特長がある。大きい鉢だからこれに調和する高さの花を活けるのが普通だが、この作品の様に低く活けるのも―つの工夫といえよう。この花器は最近、京都で開催された陶芸美術展に出品されたもので、形は平凡だが陶器としての技巧がよく出来ているので買った。蒋い橡の技巧がよく出来ている。10、000円)(創作)R花器は木製の器に特殊な塗料を施して造ったもの。直径30センチのサラダボール(食器)である。淡い褐色の仕上げも美しく水にも強いし、花器としても変った感じに見られるので使うことにした。ソデツの小葉を選んで前向きに長短をつけて並べ、その左右ヘヒマワリの大輪咲を二つ配置した。小品だがソデツの緑と調和して、しやれた感じである。百貨店の食器売場ぶらぶらと歩ぎながら見つけた器。大小と二つ重ねて買ったのだが食器としては用を果さず、専らいけ花に奉仕しているいA れもの。(価一材器花花こんな花器はいくら位いするのだろうーーと考える方が多いと思うので、私が花器を買ったところや値段も、そつとお知らせすることにきめた。お金のことなんて1いで、皆さんが買うときの参考にして下さい。値段が高いから活けやすい、安いからつまらないと言えないところに、花器の買い方、選び方にむづかしさがある。写真の花と花器をよく見て、心の中でいろいろ批判して下さい。、五00円)B 材器花花花器と値段と言わなこれも陶芸展に出品された作品。渋い緑と褐色とグレーとが混色した様な落着いた色調の陶器である。どっしりとした下張りの四角の壺。高さ、巾とも26センチのどつしりとした形。重量感のあふれた花器である。バランスのよくとれた形、新しい感覚があって、堂々として小細工のないところが好ましい。この花器には、どんな重い花材でも、また反対に細く軽い花も調和するし、日本趣味も洋趣味にも調和するに違いない。(価二五、000円)(1ページの花器)2 ひまわりの盛花サンキラィヒマワリ木製加工サラダボールソデッヒマワリ白泥褐色釉鉢カラジユームX X

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