テキスト1965
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5 E. カキツバタナルコユリo. グラジオラスアキタブキCC) ガラス花瓶にグラジオラスとフキの瓶花を活けたoグラジオラスはビンクの大輪咲を3本使つてある。大体,グラジオラスは形のよくないもので,堅いつぼみほど格好が悪い。そこで少し咲いた花を選んで3本の花を1つにかためて活けたのだが,3 本のうち2本は尖端を折りとつて;開花だけを後方に重ねて,3本が1本に見える様にして,花のボリュームをつくつて,調子を変えたo厚味のある珍らしい調子がでぎ上つてきた。グラジオラスの葉は使わず,ガラス瓶からすぐ上の花の集りがつづく様にし,副材にはフキの葉2枚,これも重なる様にさして,この2種の材料がはつきりとした色の区別を作つて,水色のガラス花瓶に入つている。美しく目ざめる様な花ができた。CD) 同じ材料を盛花に入れた。花器は淡い青色のガラス鉢であるo瓶花と同じ考え方で花の集団が水面まで低くつづいて,剣山の上までおおいかくしている。水の上にすぐグラジオラスの開花が重なつて清爽な美しさを見せている。フキは3枚。真副の形に2枚と前方低く入れてみづぎわの調子をととのえており,また,新鮮な浅みどりの葉とガラスと水の効果をも考えて作つたoCE) 竹かごにカキツバタとナルコユリ2種の投入花(ナゲイレバナ)である。瓶花も投入花も同じ意ぐi味だが,籠の花しま投入花といつた方が感じがふさわしい。籠の花はあつさりとした花がよい。自然趣味の風雅な花がよく調和する。しずかに上品な花が,籠の花の趣味といえよう。c. グラジオラスアキタブキ

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