テキスト1964
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ほお、、つきとアカバンサス2種の瓶花。花器は黒色六角型陶器。この花は7月15日に活けて、すぐ写生した。庭で作ったほおづぎは、まだ色づくのには早いが、風雅な袋を下げて新鮮な黄緑の色をしている。水揚が悪いので、これは根ごと水洗いして花器に入れた。立体の形なのでそれに副う様に直な材料を選んで、アカバンサスを二本、少し後方へ立てて、さっぱりとした、瓶花とした。花屋でほ得られない材料だが、夏の朝に活けた爽々しい花である。こんな花は都会では中々材料が得られないが野趣をとり入れた趣味の花であると思う。きものの図案にでも使ったら面白い色ではないだろうほおづぎぎきよう類例配合か。農ではこれに類した趣味の深い村材料が沢山あるに違いない。籠に活けた夏の花。こんな籠を平籠(ひらかご)又は盛花籠と云う。女郎花`おにゆり、桔梗の三種である°籠の花は手を越して高く活けてもよいし、又、手の中におさまる様に低く活けてもよい。この籠は内部が見えるから、内部の網み目の美しいものを選び、落しは、籠の内部てはいのものを使ってもよく、また、籠の左右のいずれかに半分だけの落しを作って使うのもよい。半分だけのものの方が、編み目が見え、また軽やかで好ましい。また、時にはその残りの編み目(底の)の見える部分に、季節の果物を小量入れて飾るのも意匠的である。ク女郎花ク百日草⑮ 女郎花おにゆり桔梗R ほおづきアカバンサス

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