テキスト1964
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る。白地の磁器に藍色の絵具で画を描いた壺、これを染附(そめつけ)の花瓶と云う。また藍色の絵の花瓶と云う意味て藍絵(あいえ)の花瓶とも呼ばれている。藍色の染絵具を呉須(ごす)と云ぃ、呉須て染附をつくるの.て、絵(ごすえ)の花瓶とも云われる。呉須はもと中国に産する原料土から製造されたもので、本呉須と云って最上の品質てあるが、今は人造呉須があり、それが殆ど多く用いられている。つまり、陶器に使う藍色の顔料.て、石粉.て作った壺(磁器)にこれで絵を描き、その上から無色の釉(うわぐすり)をかけて焼いたものである。呉須青絵、呉須赤絵と云う種類もある。さて、私達がいけばなにこの染附の花瓶を使う場合に、第一に考えられることは、藍絵の図病公づがら)のことである。古い染付花瓶には南画風な山水の絵を描いたものが多かったが、新しい陶芸家の作る作品には抽象的な簡浄な図案のものが見られ、花を入れたとき大変うつりがよい。何より図案の巧いことが大切て絵の下手な陶芸家や、新鮮なアイデアのない図案は、壺の形よりも絵を見ただけでも嫌になる。夏の花瓶として爽々しく、感じのよい花瓶てあ呉須なチュねーリップ花器はにぶい黒色の陶器盛花器.てある。この花器に1と2の写真の様に調子を変えて盛花を作った。(1の写真)チューリップは紅色、なたねの黄花緑葉。軽やかな美しい盛花てある。花型は自由花型の立体調て、二つの花が同じ様にのびて、上部て花を揃五しいるところに特徴がある。左方の細いなたねの花茎、中央の太い花茎、右方のチューリップは細い茎が2本揃えて立ち、これらの配列に変化を考えてある。全体、少し前方へ傾いており、みづぎわ低くなたねを1本、これは広い葉のものを使ってどっしりと安定感を作っている。なたねは11月より早生のものが咲き始めるが、この頃のものはやや水揚が悪く、葉は水々しく見えるが大葉は特に水揚が悪い。なたねの最も感じのよいのは1月2月の寒い頃、葉が黄色に黄葉している頃であろう。菜花(さいか)と云う言葉にふさわしい雅致が見られるのも冬のなたねである。秋のなたねと暖春のなたねは平凡である。この盛花は12月より春3月まで、そのまま活けられる取合せて、若々しい色彩の盛花てお稽古の配合として適当である。なたねとチューリップの葉のしっかりとした材料を選択して活けること.てある。(なたね、チューリップ、とくさ)種ぐなたね、ばら)(なたね、椿)2種(なたね、フリーヂヤ)たね、カーネージョン)の配合も好ましい。ー3ロリ3本、チューリの3種盛花は低く左右へひろがったユーカリはアカジャと同じ様な性屈の温暖地方の喬木である。枝の垂れた面白い形をしているが香りが悪いのが欠点。この盛花は観葉栖物のアロカジャの葉1枚、ユーカ、(なップ2本(紅色)の配合で、花型は少し趣を変己て横に長く、中央に大葉をはさんで右にチューリップ2本を入れた変った花形.てある。ァロカジャ、カラジューム、ベコは、用い方のむつかしいもので、こニア、モンステラの様な広い葉ものの写真の様に前へさし出して平面的に使うのも面白い。ごの写真和見ると中央のアロカジャと、チューリップの二種だけで小品盛花が作れている。左方のアロカジヤがなくても、充分よい花形になっている。左方のユーカリは前斜に出ており、ことに前方の1本は殆ど前へ出ている。こ変った花型てあり、アロカジャ、チユーリップの2種の場合には淡泊な調子の感じのよい花となるだろう。(1の写真)は立体調て上方へのびようとする花形てあり、(2の写真)は左右へのびようとする平面的な花形.てある。同じ水盤ても形を変スてこの様に活けると、全然、感じが遥って見え。もっと材料をとり替えたならば、変った花形を作ることもいろいろ活け方を変えて利用法をが出来るに違いない。―つの水盤てよく考弓ることである。(婦人生活新年号に、当流のお花その他が掲載されています)③ 2 同じ花器で• 野~,魯2. ュfこチューァカシャ1. カリリップ染虞附]花か瓶1

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