テキスト1964
63/104

写したもの。浜松市風月堂製のものが風味がよい。(ふる里と銘)。しそ落雁はしそを乾燥し、その粉末を落雁に入れたもので雅趣に富む。笹舟は夏季の菓子であって、朝蕗とも云う。<ず饒頭水羊羮を笹葉にて三角包みとする。ちまきには羊羮ちまき、ういろちまき、すいせんちまき等がある。それぞれ笹葉の巻き方に変化があるが、羊羮ちまきは(<ず、餡、砂糖)にて製し、ういろちまきは(米粉砂糖)にて作る。すいせんちまきは(<ず、砂糖)にて作り、いづれもむして笹葉の香気をうつす。さくら餅はよく知られたもの。東京風と関西風のものがある。さくら葉は夏より秋に採集して塩漬として保存し、半年ほど置いて翌年の二月より四月にかけて用いる。その後は生の青葉を用いる。桜餅は関西ては道明寺の外皮にコジ餡が多い。東京風は(メリケン粉、砂糖、飢)で製した外皮を焼きものとし、二つ折に餡を包んで桜葉に包く。青葉にくず鰻頭を包むのは東京風である。このごろポリエチレン製のさくら葉やばらんの葉などが作られている。先日、濡晉県のあるところで、ごのポリエチレンの桜葉で巻いた<ず鰻頭、寿司の皿にもポリエチレン製のばらんの切葉。なんとなく鎌な感じのするものである。そんなたベものやさんに限って味はまつい。仕事に情熱のない訳である。あけび餅は中はコジ餡で外皮は米粉、餅粉にて作る。ういろ状のもので、これはあけびの実をうつしたものだが、これをあけびの葉にて巻く。菊羊羮はコハク糖の水羊羮を型ものに流し込み、それへ食用菊の花弁をバラバラと散し込ん.て、更にコハク糖を流し重ねて製し、内部に菊の花片が見える意匠的な菓子.てあるいちご羊羮は、水羊羮の中へ煮いちごを入れ込んだもので、美しい色をもつ洋菓子風のモダンなもの。菊の葉常用鰻頭は菊の葉を、鰻頭の上に乗せ天焼きとしたもの。或は菊の花型の鰻頭を作り、菊の葉の上にのせ客用として出しすすめることも―つの意匠。春蘭の花、桜の花、つぼみを懐中しるこの中〈仕込み、湯を注い.て花の浮き上る意匠。中国の菓子には砂糖漬が多いが、蓮根、なつめなどの砂糖漬。ことに文たん、・きんかんの砂糖漬は一週間程度て作られるとのことだが、菓子は「つくりごのみ」と云う、そのはじめの言葉と思い合せて、この種類のものは一人、この感じが深い。これは盛夏の水羊羮だが、青竹の細い筒を七八寸に切って、それへ熱い水羊羮を流し込み、それを渓流の冷水こ冷やして客にすすめると云った趣向。この様な風味と意匠を兼ねた菓子の類は他にも随分多いことであろう。.以上は私の狭い見聞の中で、木の葉、草の葉をそのまま用いた意匠菓子を並r〈て見たのだが、花道家の私の畑ちがいの甘いお話。お三時のお笑い草にどうぞ。(桑原専渓)・冒'-→ (水盤株分挿)(水盤一株挿)株分挿とも云い、分体花型とも云う。左方を主株おもかぶ)右方を(こかぶ)と云う。主株のがま(蒲)で真、副、胴、留、控の五体を作り、子株は反対勝く、副を右方〈長く出し手の花型を入れて、真を低て、これが全体の留の形になる。前方〈前置(胴)を入れて三体の花型を作る。中央の空間を魚道(ぎよどう)と云って、美しい技巧ですきあいを作る。主株は少し後方〈株をすえ、子株は少し前方へ株をすえる。水草陸草を交えてもよい。ふとい(水草)こおにゆり(山草)カラジューム(洋草)この三種を一株に交えて、新しい生花を作った。伝統ては水草陸草の区別をわけて活けるが、創作生花ては配合調和の美しさだけを考えて活ける。がまもふといも水草の中で、特に背の高い材料であるから、すらりと高く活けるのがよい。こおにゆりを左前方の副の位置に長く出して、ふといの後方の控の上に高く一本入れた。ふといを通して見せ様と考えている。カラジュームは鉢物を切った。S(伝統生花" ~ <― 創作生花⑦ フおジュにとlゅムりいカこふしがらまほしかゆう

元のページ  ../index.html#63

このブックを見る