テキスト1964
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ー4先月号てお約束したことをいよいよ実行する。ここ.て生花谷いか)をやる皆様方にしっかり考えて欲しいことを、もう一度、繰返す。それは伝統生花と創作生花の区別てある。伝統て活け方の定っている流俄の生花は変ることなくしっかり、その方法を守ってもらいたい。新しく出発しようとする創作生花は、花型はこれまでの花型と同じだが、かなり自由な範囲にまで取合せを、思つままにやって行くことが出来る。また、花器もつとめて新しい形のものを使い、盛花瓶花の様な美しい色彩のある新しい生花を作るこそ”炊9杵雑土とを考える。しかし、生花の技葉花の配列、揃え方、また、生花の最も大切な根じまり、水ぎわの揃え方など、伝統生花の技法を充分大切にして、よい加減な仕事てあってはならない。創作生花の目標は一、どんな材料ても、その形と色'C感じの調和に依って自由に選んで活けることが出来る。二.盛花と同じ様に何種類.ても活け合すことが出来る。三、美しい色の花を配合することが出来る。四、花器を自由に選ぶごとが出来る。伝統のいけばなには一氷い時代を通じて磨かれた、珠玉の美しさがある。しかし、今日のいけばなは、今日の思想や生活に調和する作品であることが大切である。生花の優れた技法と高い格調、今後、このテキスト誌上に生花の写真をのせて行こうと思っているが、その場合に、伝統生花の写真と創作生花の写真とを一緒に掲載して、その考え方と技術上の説明をして行きたいと思っている。①の版画は伝統生花の葉組もののうち、六七月の花てある「さじぎぼうし」の生花.て、これは二管筒(にかんづつ)の活け方である。上の筒には右勝手、下の筒には左勝手を活け、上には九葉三花、下には七葉二花を活け.上を大きく下を小さく活けてバランスを作る。葉の大小、花の大小を適宣の場所に挿し合せて、引きしまりのある花形を作る。水ぎわこれはとんな場合にも忘れてはならない。を美しく揃えることが大切てある。②の写真は創作生花である。この写真は「婦人生活新年号」に掲載された作品で、若松、朱ボケ、白玉椿の三種生花である。伝統では若松を一種挿とするが、ここでは新しく解釈して、若松のみどりとボケの朱色と椿の白との色彩の調和を考えて、荘重な美しさを生花とした。ボケの枝の配置を自由に使って、松とボケの重なり、留へ長く出したボケの枝など、花の引立つ様な配置ん思うま言に作っている。花器は土色の新しい形の陶器てこの作品の様に生花の格の中に、自由な配合をして行こうと考えるのが、これの目的.てある。③ 2 と創:作?生ド花か4i ``‘ 五、材料配合に関しては、制約がない。以上の如きもの.てあるが、およそ、自由と云う言葉は、勝手きままな考え方と混同され易い。ここに出発する創作生花は、そんなぐうだらなものであってはならない。技術的にもしっかりと筋の通った生花てありたいと考えている。伝;統合生尺花か

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