テキスト1964
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, j1Jい緑が、会場のむし暑い空気の中て実にすがすがしく見え、いつも評判がよい。秋田ぶきと云うことを知りない人が多く、水揚の悪い普通のふきの様に思われるのか.心する人が多い。私の庭の営養不良の「秋田ぶき」も引しまりのある形が、いけばなにぴったりして、意外な効果を挙げる。毛並のよい秋田ふきが、どうやらその本領をあらわしたと云う訳てある。京都の北山、貴船の村を越五となを、ずんずん貴船川をのぼって行くと、やがて芹生(せりよお)の里に至る。この辺は「やまぶき」が一面に生え茂っているのだが.大分、以前のこと、私は谷川のせば言った崖づたいに渓流におりて、そごに大きくひろかった「山ふき」の葉左見つけた。葉に剌のあるこれ似食べられない種類なのだが.同じ山ぶきても野生する場所に依っては.茎も太く葉も大きく成育するものらしい。貴船から鞍馬.田原の山間部へかけて谷あいには.ごの山ぶきかおびただしく野生している。鞍馬の柴潰ふきのつくだ炎などを折詰にして、北山の土産もの・-・Jして有名てあるが、一寸野趣の深いたべもの.てある。秋田ではふきの葉を襖や屏風に張ると云う。これ似'叩々野趣があってよい。張り並べても図案的て面白い味のものであろう。ふきの砂糖漬>これはどこの地万.てもよく作られるものらしい。しきりに感.風雅で段々暑くなるにつれて、葉の多いいけばなを活けよう。木の葉の美しいものはやまなし、なつはぜ、ゆきやなぎ、ななかまどほうの木、ゆつり似、さんきらいその他にも新緑の葉の美しいもの。水揚のよい木の葉ものガ随分ある。草花の緑を考えて見るlC岩かがみ.秋田ぶき、かきつば`にミリオクラタス,モンステラその他.しろいろあるー(思っ。緑の葉を主材として.それに小塁の花を添弓る・9J云っーに配合似.初夏、盛夏を記じて.すがすがしし花が作れるし.暑さに向って日持のよし花が活けられる。f苓戻緑の葉に似濃い緑.黄みどり.紅葉のある広んさ<.なつはぜの稔邸木があり、ゞ6た、五色杉‘ユーカリの様に.,白や青を交え,7稔応葉ものもあ羞緑の葉,J云っても種々怠変化のある色をもっている草木か多しから.巧みに配合する1J'花かなくても美しししけばなガ作れる均合ガある緑の葉の印へ強い色の花を少し加えて活ける;.新鮮な感じの美しい花ガ作れる。ここに伍早の葉を主材して活けた例を二つ挙げてみる春らん.かんぞう、ぎぼうし葉紅しだ.立天門冬.なるこゆり青欅‘枇杷葉を主材にするb3C‘ー12葉ものの中には色の変化も多いし、その形も随分変ったものがある。日本草木ふ考えて見ても.やっ.て、紫蘭の葉、ふきの葉.蘭の葉、しだの様にそれぞれ特徴のあるものが多い、洋種のものには殊に変化がある。マランタ、モンステラ、ゴムの葉、ミリオクラタス、ジベラス、ヤジの葉の様に、一寸考えてもいろいろな形のものが多い。緑の葉の色と形を組み合せて盛花や瓶花を作るのも.中々よい趣味てあろう。水揚のよいものを選んて活けて見よう。ア十ナスは朱色の花.て落着いた渋い感じの材料てある。切り花のものを一株.剣山に挿して、ヒメカンゾウの緑の葉と、白いく言どりのあるナルコユリの葉四牧を配合して、ガラス器に活けた。と、ア十ナスの重味厚味のある切り子ガラスの感じるい中に安定した盛花が出来た。夏らしいさっばりとした感じだと思っインコアナナスカンゾウ、ナルコユリが調和して、明マランダ、黄みどりの軽やかな草。立天門冬(タチテンモントウ)は水揚もよいし、季節の材料として好`ばしい。足もとを軽く一束にくくって花器に留めた。左右に自由にひろげて、その中に形を見つけ出す。カユウを前に一本と後方、葉を通して見る様に沈めて入れた。マランタの葉は濃緑に縞模様があり、葉の裏は赤褐色。白色の陶器に巧く調和した。⑦ 立天門冬ヵュウ

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