テキスト1964
43/104

DふQc花菖蒲薔薇とくさすかしゅりカーネージョンューカリD c ロロロ。花菖蒲2本(紫●バラ1本(淡紅)カーネージョン1本(白)を藍色に線条のある陶器コソボートに活けた,右勝手の花て真に菖蒲、副にカーネージョン、胴にバラ、中間と留は葉て形を作ってある。胴へ垂れた菖蒲の葉の曲線は、全体に柔い詞子を出している。この盛花は緑が多く、カーネージョン、バラを1本づつで淡泊な感じに仕上げてある。賑かでないがすがすがしい気持の盛花と云える。美しい引立つ花を1本づつ使うと云った行き方も、季節的に好ましい。とくさは四季いつ.ても使える材料てある。とくさの後方に花材を置いて、茎を通して花を見る様な活け方は、軽やかな感じに見えて、また、花型を奥深く見せる方法でもあり、中々よい用い方である。他の材料ても細い草木は、それを前に置いて後方に色のある花を挿すと、美しい技巧の花が出来る。すかし百合の花の赤褐色と葉の緑。ユーカリは白緑の葉。細い濃緑のとくさの茎。花器は木製化学加工の食器てある。花と花器ともに必要な材料を要領よく作りあげたと云う作30 私達は住む士地、その土地の習慣に依って生活を定められ、そこに住む人達の思想をも決定づけるものです。農村の人は農村に必要な生活や思想があり、都会地の人には都会的な思想が、自分の気づかぬうちに決定つけられるものです。いけばなにもこれが大きい関係をもって来ることになります。広い意味て、すべての芸術は作灼出されるその土地に深い関係をもつもの.てすが、いけばなにも、これと同じことが言えます。私達は常々花を活け乍ら思うことは、いけばなは形に重点を置くか、色調や感覚に重点を置くかと云う問題てす。云うまでもなく、いけばなは形もよく、色彩的にもよいと云うのが常識てそれは当然のことです。このテキストの解説ても、常に花型と色調のことについて、繰返し解説を加えています。皆さんは、これについて恐らく大部分の人は、無意識のうちにも、いけばなは花形が先づ大切、と考えておられると思います。形のことは余り深く考えないで、色調のことを重点的に、また出来上るいけばなのふんいきを、重く考えて作っていますまた、自分の生活に、自分の家に飾ってよく調和すればそれでよろしぃー色彩のいけばなと考えるのが普通だと思います。しかし、いけ花の近代的な新しい考え万似、それだけてはいけないのですごこに―つの例を挙げて見ましよう。昨日、私は芦屋方面の家庭を四つ訪問しました。そのうち二つのお宅に美しい盛花が活けてありました。活け方はあまり上手ではなかったが、新しい建築の部屋に装飾によく調和したデザインの花器に冨包フス器と陶器)挿してあった花は、洋花の色の美しい派手な花てしたが、突っ込み挿に活けた花がよく室内に調和しています。これは形は50点だが感覚は100点と云ういけばな.てした。勿論、形もよく色も感覚的にも優れていることは望て6しいが、方に、缶調と感覚に重点を置くいけばな、と云うことも考えねばならないと思います。(この場合、花形の拙い様に見える花の方が、感覚的に優れた味わいを出し得ることがある)私達は自分の生活の習慣や好みの中に、いけばなの方法をきめていますが、自分の生活以外のところに、感動せしめられる様な考え方があるものだ、ーーと云うことを知らねばなりません。白黒.て見ゑ与真のいけばなには到底、色彩の芸術は感じられないものと、私似残念に思っています。ごれは只、単に花の色を見ると云うだけ.てなく、その花の生々しい新鮮な色が、いけばなの重要な感覚をつくり出す場合が多いからです。また一③

元のページ  ../index.html#43

このブックを見る