テキスト1964
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いけばな材料に「べにづる」と云うのがあります。東北地方の山に野生するツルモノ.てありますが、褐色に淡い紅の色をさした一寸、きれいな材料て瓶花盛花によく使われています。寵は主として竹で作られ、藤、あけびのツル、その他にも特種のものもある訳てすが、専門家の作る籠はさておき、この写真に見る様に、私達が簡単に短時間に寵の様な器を作るのも、中々趣味の深いものです。この写真の籠はベニヅルをぐるぐると円<形づくって、五、六カ所、細い針金てとめて作った、全く簡単な速製の籠てす。勿論、底はありませんし、中筒を台の上に安定する様にすかせてあります。ベニヅル.ても藤ヅルでもよいのデ‘すが、くせのある面白い茎の線を利用して、交互にからみ合せると、自然に格好よく簡の形になります。あなたも一っ作って見ては如何です。籠と定ったものよ灼も、ざんぐりとして風雅に見え、お花もよく調和します。中筒は青竹なれば満点ですが、白竹てもよく、またこの写真にある様に陶器のコップの様なものを利用して落しに使ってもよい訳です。2 カーネーシ(凡1)カーネージョン四本にゴムの葉四枚を入れて自由な形に挿けてあります。カーネージョンはピンクニ本、淡黄色二本を交え、ゴムの葉は表面の緑色の濃く美しい色を前にして並べて挿します。この投入花は床の間の板床にしき板を用いす、じかおきに飾りつけます。畳床の場合は薄板をしいて飾りつけます。この籠の中へ灰皿を入れて、パソジー、プリムラ、ゼラニュームの様な花を低く挿けると、寵の中にすっぽり入って、編目から花を見る透し籠拿すかしかご)ゴの葉ムョン(凡2)水仙、寒つばき、つわぶきを交挿したこれも美しい配色.てす。落着きののある日本趣味の瓶花となりましたが、自然趣味の寵によく調和していると思います。寒つばきは山茶花の(ししがしら)と云う種類て紅色のやさしい花てす。この籠はベニヅル五本で作りました。時間は15分ほどで作れましたが、ツルの曲ったところを利用すると簡単に作れます。(材料費30円)この寵に山吹一種、山菊又は寒菊一種など、また、紅葉ななかまどにりんどうをあしらった様な材料もよに利用出来ます。贔和するてしよう。ー2水仙・寒椿つわぶきが色の変るほど煮くのだが、この色の変ったぶよぶよとした部分が水揚によい訳て、活けゐときこの柔い部分を切らない様にして活けるo自然剣山には留まりにくい。壺、筒の様に深い花器に活けることとなる。(かゆう)(アマリリス)などの様に柔かく太い茎の材料は、剣山には立ちにくい。花が重たく少し傾けると倒れる。その場合は、先づ剣山に五セソチ程度の竹片又は木片を上方に向けて挿してしっかり留め、更にそれへ突きさす様にして、かゆう又はアマリリスの軸を挿して立てると完全に留めることが出来る。松や梅の様に堅い木ものを剣山に留める場合は、株もとを鉛筆の先の様に尖らして、しっかり剣山に留め、留め方の弱い場合や、前へ倒れる場合は、その幹の前方や両側に四センチ程度の長さの太い木片を、密着させてしっかりと挿し、それをたよりにさせて留める。剣山ともに倒れるときは、その剣山の後方に、別の剣山をうつむけて乗せ(針を下に)重くして留める。更にごの部分を枝葉てかくす。剣山の中に(日月)と云って丸型とみか月型の組合せになったものがある。形がよいので初級の人がなんとなく買うのだがこれはあまり役立たぬ剣山.て、使いにくいから買わない様にして下さい。コップの様に透きとおったガラス器には縫針を丁字留に挿して留めると目立たす美しい。色のついたガラス器には針金をもつれさせて突っ込み、それへ細い草花をさして留める。⑦ 手製の籠を作って

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