テキスト1964
11/104

花3葉蘭(ばらん)の生生花の中で伝統的な活け方のある難しいもの.てある。日本のいけばなは花のない外見のきれいでない材料ても、このばらんの生花のように美しく見えるものがある。内在の美e技巧に依って単色の平凡な葉を組み合せ、美しい姿を作り出す||伝統生花の深い味わしのあるところであろう。ばらんは5、7、9、奇数にとって活ける°数多く活けることが出来るが、この写真の様に9枚から13枚程度が一ばん上品.てある。技巧の興味にとらわれることなく、技巧の限度を考えてつっと止める。行きすぎては下品になる。この生花の花瓶はトルコ青の陶器壺。(右)11枚と葉をアイリス5本、白菊3本の水盤の生花である。ばらんは右勝手の花。このアイリス白菊の生花は左勝手である。真、副、見越、胴にアイリス、留、総かこい、控に白菊が入っている。アイリスの葉をとってもう一度花に添己て葉て花形をつくる(左)ヒマとタマシダの水盤株分(かぶわけ)の生花である。褐色のヒマと浅緑のタマジダ、写真.ては色が出ないので平凡だが色の美しい変った配合てある。南天すいせん、女郎花睡蓮白百合ダリアの様な色彩の美しい材料を取合せて活けるのがよい。(左)ばらん生花に「前後深浅」と云う言葉がある。前へは逹き出る様に枝を出し、後はずっと枝を控えて奥行をつくる。と云う意味て、これは瓶花盛花ても同じことゼが、生花の場合は後方に控ーと見越、前方にしっかりと胴を入れる。胴は桑原専慶流の特徴のある枝てこれに依って流儀の花形が作れる。ここに掲げた写真ては胴の枝が重なって見にくいが、いづれも前へ出ており、後方は控、見越、前方は胴に依って花型の深みを作っている。また、真かこいは枝の出は浅く、留は前斜へ横へ出す。胴と留の中間に総かこいの枝を入れ、これに依って水ぎわをととのえ足もとを美しく―つに揃える。(みづぎわ)前後深浅叩A奴,; アイリス・白菊ヒマ・タマンダ

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る