テキスト1964
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(A) 葉を立面的にならべて葉ぐみ(C)丸葉を配列して花型をつくる(B)葉をななめに使つて葉ぐみす(D)特殊な葉の組み方をする材料生花(せいか)の中に葉ぐみものと云う言葉がある。草花のうち、栗に特徴のあるものを組合せて花型を作る生花のことである。四季の草花のうちにこんな性質の材料を考えて見ると、大体、次の様なものがそれにあたる。(生花に適した草花のなかの、菓ぐみもの材料)する材料カキツバタショウブイチハッグラジオラスる材料オモトシャガシオンギボシバランカユウコボネカンナアマリリスチュウリッ。フガーベラアカバンサス材料ハスツワプキスイレンアヤメカンソウ葉ぐみもの(伝統生花)スイセンヒオオギシラン洋種スイセンーリップ大体、以上の様に分けて考えるのが一ばんわかり易いと思う。以上の考え方は、例えばカキツバタの様に葉を平面的に立てて組むもの。バランの様に葉をななめに使う種類°ハスの様に丸い葉を並べるもの。スイセンやアヤメの様にそれだけに定つている方法のあるもの。大ぎく四つに分類して考えると、活け方もわかりやすくなり、習わない材料でもおおよその見当がつくものである。生花は材料の扱い方が大体ぎまつているから、同じ系統のものは同じ方法で処理する様に考えないと、一っ―つ覚えたのではとても複雑で覚えにくい。まず、以上の様に四つに分けて、それから個々の活け方を秩序を立て習うのが一ばん解り易いし、また、反対になんとなくこれまで習ったものを、この様に分類して心の中で整理することも必要だと思う。築ぐみ七種と云つて古来、生花の許しとなっている活け方である。①バラン②スイセン③イチハッ④カキツバタ⑤ハナショウブ⑥ギボウシ⑦シオンの七種の葉ものの初歩の活け方を教えるので、七種伝と云い、この七七種の葉組みもの生花チュつの葉ものは四季を通じててはん特徴のある姿をもつている材料で、生花としては代表的な、大切な活け方を教えることとなっている。葉ぐみものの基礎の方法を習うことにもなるわけである。従つてこの七種の中には、さきにのべたRの立面的な菓もの、⑧の斜の葉の抱き合せ、⑪のスイセンの様な特殊なものも含まれており、この七種伝の初歩の活け方を修得して、それぞれの花数も多くなり葉組みの複雑な組み方や、配列を習い覚える様な仕組みになっている。それらが上達していよいよの境地になると、その葉組みの方法技術と、自分の考案を織り交えて創作花型を作ってもよいことになっている。自然の生育している花の姿を心において、自然と伝統形式とをおり交えて自分の思うままの工夫をする、その様な段階に進むこととなる。バラン①③⑦⑥⑤1。①(葉蘭)葉蘭七枚の葉組いけ方°真、副、胴、留、控、真かこい、総かこいに一枚ずつ葉を配僻して、特に真の葉真かこい、胴の葉の選び方を習うスイセン(水仙)葉組5組。花3本の活け方を習う。留と控に使う3枚組みの用い方。生花七種伝袴の高さ。おさめ方などについて練習する。③イチハツ(痣尾)イチハツの個性と花型。特種な葉の使い方。花の高さと配樅。葉組みと出生のこと。花2本3本の用い方と葉組5組の組み方について④カキッパタカキツバタの個性。葉組みの作り方。水草の考え方。葉組み5組。花3本の活け方を習う。水きり葉のこと。水盤生の花型を習う。ハナショウプ花3本、葉5組の活け方を習う。葉組みの作り方°杜若との区別。花の高さについて。(水盤生)ギポウシ6月のサジギボウシ。8月のタマノカンザシの活け方。花と葉の特種な使い方。花2本と3本、菓7枚と9枚の用い方について。(水盤生)シオンシオンの出生と扱い方°花2本と3本。葉7枚と9枚の用い方を習う(水盤生)七種伝においては以上の様に葉組の基礎と、生花においての自然のとり上げ方について理解することとな(杜若)(花菖蒲)(紫弗)(紫苑)る。グラジオラスは、杜若、花菖蒲によく似た活け方。ヵュウ、コボネ、ガーベラは、ぎぽうし、しおんによく似た活け方であり、オモト、シャガ、アヤメ、カンゾウなどは、それぞれ独立した特殊な活け方をする材料である。アマリリス、アカバンサスの様な洋花で花と葉と別のものを生花に活ける場合。カンナ、チューリッ。フ‘ヒオ、ギ、シランの様に花と葉が一しよについている草花は、また別の考え方がいることとなる。伝統的な七種の薬組ものの活け方が定められた昔とは違つて、今日のいけばな材料の中には、次々と洋花を活けることともなり、また、その中に葉組をする必要のある材料もある訳であるから、単に古い形式だけを守るだけでなく、新しい今日的な考え方もいる訳である。以上にお話したのは葉組生花の基本的な考え方である。さらに稽古が進んでくると、次にのべる様な特殊な活け方を習う様になる。バランの葉組9枚11枚認枚15枚の活け方を習う、これも葉の用い方が定つている。その他の葉ぐみもの材料葉組生花の特殊な活け方4 生花講座

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