テキスト1963
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、}-噸uat曇和室でも洋室でも部屋の隅に棚を置くことがある。或は本箱、いろいろな物入の棚など実用的なものも置く。そのすみ棚へいけばなを飾る。この写真、Rは座敷の隅に二枚折の屏風を立てその前へ蒔絵のある塗の棚を飾って、小品の投入を活けてある。この棚は実用的なものでなく飾り棚と云われる和室の装飾品であるが、また別に家庭用品として実用的な書類棚や本箱の類の、部屋の隅に置く箱、棚、机などに飾る場合もこれと同じである、床の間やその他の場所に花を活けて、更にこの棚にも小さい花を飾って装飾にする訳である。つばき、ばら、菊、姫百合、乙女百合、姫かんいけばな装飾④隅棚の花ぞうの様な背の低いまとまりのよい、色の強い花が引き立つ。この棚には日本種の花が適当であるが、洋花ても洋蘭の類、単弁のダリア、フリーヂヤの様な落着のある洋花も調和する。Rの棚は洋室の隅に飾ってある。これも飾り棚で和洋折中の感じの棚である。花瓶はにぶい光沢のある赤紫色の花瓶で、黒色仕上の棚に色の調和がよい。この棚にも小さい投入れがよく調和する。cはこれも和洋折中の洋室にある棚である。日本式の違い棚と洋式の暖灯を組み合せたもので、花を活ける場合には和室の違い棚と同じ気持.て装飾する。しかし、洋問のことだから、日本種の花だけでなく、カーネージョソ、ダリア、チューリップ、アマリリスの様な花も。モンステラ、アスパラカスの様な葉ものもよく調和する。A 和室ても洋室ても、く調和するものを活ければよい訳.て、洋花和花のいづれてもよく、それがその場所にしっくりと落つけばよい訳である。和室には一室に―つの花を活けるのが普通てあるが、例えば床の間にしっかりとした花を活け、その他、隅棚や違棚の上に小品花を活ける場合もある。玄関など小さい部屋には小ぶりの花を一っ活けるのがよい。洋室の場合は一っ.てもよいが、その室の大きさに依っては二つでも三つても飾ることがある。日本趣味の静かな美しさを見ようとする習慣と、洋風好みの華麗な花の美しさを見ようとする考え方との相違である。床の間は3尺、6尺が普通である。先づ3尺の床の間について考え床の間の花その場所によて見よう。四畳半、六畳程度の小さい部屋には3尺の床の間が多い。3尺床には附書院はなく窓の障子だけである。この場合の花は生花、瓶花、盛花のいづれにしても上座(かみざ)ー窓の方ーに置くのが普通てある。花の表(枝葉花の出る方、美しく見える方)を床の中央へ向けてかけ軸の方へ出す。また.小品花の雙口には床の中央のかけ軸の前へ飾ることもある。(この場合は横がけの軸がよい)一間床でも附書院のない障子窓だけの場合もある(先月号の写真参照)この場合の花はかけ軸の右に置いてよく、左へ置いてもよい。の床は奥行も3尺だから上座に置いた方が花がよく見えるし、6尺床の場合はどちらに置いて和見やすいと云う訳てある。3尺床にはかけ花を飾ることが多い。床が狭いので置き花よりも小さB 3尺い柱がけの方が詞和がよいー|と云うところから考えついたいけばなである。広い床の間にはしっかりと花瓶を置いて花を活け、三尺床には軽くかけ花を活けるのも好ましい配合であろう。また、かけ花は省略の花と云う気持ちと、簡単清素と云った感じの趣味の花.てもある。そして、これはこれなりの深い味わいをもっているものである。四畳半の茶室にかけ花がよく使われる。これは狭い部屋に調和する小さい花と云う意味と、佗びさびの茶道に調和するいけばな、の意味で、簡素簡浄のかけ花が好まれる訳てあろう。かけ花には床柱に使う「柱がけ」と、床の間の中央の壁にある胴釘の「向うがけ」の2種がある。c ~ 贔鵬温'霰;rir'"''疇(4) ー・

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