テキスト1963
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3ゞ)(A)(Bさきに述べた様に、いけばなはどごへ飾ってもよく、調和する様に飾り付けれはよい訳てす。そのうち、なんと云っても和室ては床の間が中心になりますから、まづ床の間の飾り付について書いて見ましよう。床の間にはいろいろ種類があります。そのうち一般的なものはニ・三種てすが、ここでは特種なものも交えて書いて見ましよう。ー、本床(ほんどご)これは床面が座敷より一段高く作られており、畳敷の床であって床柱は角在のもの2、板床(いたどこ)本床と同じ形であって床面に畳を敷かず板を張りつめたもの、3、踏込床(ふんごみどこ)座敷の畳の一部が床に利用されており、思わず床に踏込む惑じなの.て踏込床。4、洞床(ほらどこ)落しがけ及びその左右外面を壁にて作り、洞の様な感じがあるためこの名がある。5、釣床公つりどこ)座敷の上座の隅に天井より落しがけへかけて釣壁を作ったもの6、琵琶床(びわどこ)正面に普通の床の間があり、更に明り窓の方に一段高く正方型いけばな装飾②の板床を作ったもの。7、袋床(ふくろどこ)床の間の上座又は下座に壁にて正面をし切り、袋の様に入り込みを作った床。8、置き床(おきどこ)これは最も簡単な床てある。座敷の床の間の位置に台の様に動かすことの出来る床を置いたもの、狭い部屋に用いる以上が大体の基本的なもの.てすが、その他の特種な好みのものもある訳です。床の間の大きさは、普通てすが、この中間の大きさの俗ます。向って右手にあるのを上座(じようざどこ)又は陽床(ようどこ)と云い、左手にあるのを下座床(げざどこ)又は陰床(いんどこ)と云います。に5尺床と云われているものもあり6尺、3尺が床の間の下座(しもざ)に棚のあるのが普通てす。棚の様式は実に復雑.てあって日本建築の古い様式を考えて見ても全く多種多様であります。現在の巳本座敷にはこの古い棚の様式をとり入れたもの、それから写して新しい考案を加えたものが多く部屋の装飾の役目をしている訳てすが、私達が棚に花を飾る場合にはあまり重い感じのものでなく、なるべく単純なあっさりしたものが引立つし、よく調和します。床の間に花を飾った場合には棚に花を飾らなくともよいし、また飾る場合には小品の花が調和がよいてしよう。床の間に美しい色彩画をかけた場合には花は置かない方がよく、そんなときには、この棚を利用して、棚の上か棚の下の地板床(ぢいた)に花瓶を置いて活けるのがよい.てしよう。写真たりとした棚の場合には、花も普通の様に広くゆっの大きさて、左右へのびのびと活けることが出来る訳てす。要するに床の間は懸け軸が装飾の中心になる訳てすから、書画の優れたものを鑑嘗する場合には、花のない方が好ましい訳です。その様なときに棚を利用して花を飾る訳てす。また、写真の様に床には花を飾らず、明り窓に花を飾るのも感じのよいものです。明り窓は、書院(しよいん)書院窓、明り書院(あかりしよいん)附書院(つけしよいん)とも云って、その始めはここ.て書物を読み書きものをするために用いた場所てすが、今.ては光りのとり入れ口として、また装飾のために存在する訳てす。書院窓の花は軽やかな感じの花、小品花などが適当.てすが、小さくとも印象の強い花を飾りたいものです。また、床の間に花を飾る場合には書院窓には装飾品を飾ることもあります。⑦ B ,, .. そヽ(写真)A・床の間の下座にある棚に花を飾るB • 明り窓に手附籠を置き投入花を飾る棚と書院窓A -量l~

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