テキスト1963
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盛花を活ける花器は種類も多いし形もいろいろある。しかし、それらを大別して、の何れかに属している様.てある。その中で浅く楕円型の形の花器を三つ選ん.て盛花を活け、この傾向の盛花について考えて見よう。横長の花器は、形もひろびろとしを使って横長の花器浅く円い形のもの深い鉢の様な形(円錐形)四角、又は長方型のもの浅く楕円型のものて見え円形の水盤に比較すると、しやれた感じて、すっきりと意匠的である。随って花を活ける場合も花器の気持に調和する様に、堅くならない様に軽やかにさらっと活け上げる様にするのがよい。に、食器の中に案外いい形のものが花器と定めて作られた水盤のほか見つかる。百貨店の食器売場などで見かけるものの中で、美しい感じの形のよいものを選ん.て花器に使うと活け上りの面白いものが作れることがある。水盤ときめられた陶器には案外、平凡なものが多くて食器の類の中にしゃれた形や感じのものを見つけ出喜合もある。この写真の花器は木製のオードブル入れである。百貨店の食器売場でみつかったのだが、中々いい形をしている。南洋の民主鶴かと思われるエキゾチックな味わいのある器である。色は鈍い褐色に塗料仕上げがしてあり水にも強い。のんびりとした曲線が美しく曰本の器物には珍らしいゆったりとした感じをもっている。勿論、食器なのだが花器としても耐久力もあるし、水を入れても傷まない。(価格二、000円程度)こんな種類の花器として使える器が案外なところにあるもので百貨店など気をつけて見られるとよい。花器として上品に見られるもの、すっきりとした美しい形と感じをもつもの、こんな点に注意を要する。この写真の盛花は花器の内部がよく見える様に花材を多く用いないこととした。花器いっぱいに花を入れると花器のいいとごろがかくれてしまう。ダリアは淡い紫赤のもの3輪を簡単に並べて、花器の中央に株をすえて濃緑の葉をたっぷりと見せて花器の色との配色を考えた。この盛花はいけばなとしての技巧は少く簡単であるが、しかし、この花器に調和する感じ、色、いては充分注意したつもりである。いけばなは形だけ作ることに力をつくすのではなくて、出来上った作品から優れた感じを生み出すことが大切てあることを知って欲しい。陶器の水盤としては浅く広い形のものである。器だが単純で嫌味のない形である。この盛花は9月下旬に挿したが、くるめけいとうの紅、葉は明るい黄緑の色が美しい、白桔梗の新鮮な材材料につ料を添えて盛花を作ったが全くみづみづしい感じの盛花となった。写真てはけいとうが直立している様に見えるが、何れも前へ少し傾いている、この盛花は花器の中央に株もとをすえて左右へ花を対照的にさ2 2 光沢のない淡緑色の掏し出した形、ごの様なのを対照型と云う。右方からも左方からも花の表が見える花形で左右正面と三方より見ることの出来る形.てある。活ける順序は中央やや高くけいといとうを低く入れ水ぎわの葉を美しくととのえ、その後、左右の桔梗を配置して入れる。水盤の緑の水面から浮々と花を重ねて実に美しい。この様な意匠的な盛花は殊に澄み切った手きれいな技巧が必要である。<るめけいとうは、いちょうけいとうの種類だが水揚のよい種類てある。(花器は七00円程度)う3本を入れ、前方前置の位置へけ4321ー蟻ー花材ダリア一種木製民芸風オードブル入花器花材くるめけいとう・ききよう花器淡緑色陶器水盤R ー煎::.::ー1

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