テキスト1963
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今月からいけばな装飾についてお話しましよう。かなり広範囲に渉るかと考えられるので、数回を重ねて書くことになりませう。花を活ける場合、それをどこに飾るかと云うことを考えて活けるときと、そんなに考えないで出来上ったものを適当に調和する場所に飾ると云う場合もあります。何れの場合でいけばな装飾(もよい訳てありますが、なるべくは置く場所を考えてから花器を選び、材料、花型を定めるとぴったりとして花が引き立つことになります。従って、どこに飾るか、或はその場所にはどの様に飾り付をするか、その楊所に活けるにはどんなに考へるか、について知ることが大切なの.てすまた、いけ花以外の装飾品と花との関係もあり、更に伝統的な飾り付の仕方、床の間の種類とその装飾法、床の間だけて考えても随分、約束方法が沢山あいます。更に此の頃の新しい生活に飾るいけばなと考えて見ると、随分広範囲に渉ります。大体いけばなはどこへ飾っても美しく見えるとごろへ置けばよいのですが、それがよく調和していけばなが引立つ方法を考えたいもの.てすまた、古い装飾法を知って置くことも大切なこと.てす。最近、私達の生活が急激に変化して、床の間に花を活けることは、いけばな装飾の一部分と云うこととなり、部屋の作り方や装飾品も変って来ている関係上、いけばな装飾法もその領域が大変ひろくなりました伝統形式に依る飾り付。ー330の(写真解説)2 近代生活に調和する飾り付。店舗、会場の装飾゜屋外装飾のいけばな。考えてみると以上の様に範囲がひろくなって来ていますから、それに対する花器花材、いけばな形式の選択にもはっきりとした理解をもちたいものです。それぞれに調和する最も正しい考え方と、その用途に役立つ最もいい性格のいけばなを活けるごとが心要なの*てす。この原稿において、そんな方面のお話を沓いて見ようと思っ.てす。6尺と3尺の床の間て茶室風の軽やかな感じの床の間てす。右側の上座には附書院はなく窓だけになっています。この場合は上座に花を置いても左側の下座に花を置いても、何れてもよい訳です懸の場合にはその前の床の中央に飾ってもよろしい。軽い感じの床てすから花器もしきものも軽やかなものがよく、薄板又は低い花台などを用います。花以外の装飾品は璽古しく感じられるから置かない方がよい。写真の花器は細口の花瓶ですが、コバルト色の明るい色て、白菊2本の小品花が上品な調和ふ見せています。花器が小さいの.て花型もあっさりと自然に挿してあります。な小さい花は左右どちらの勝手の花.てもよい訳てす。また、懸軸が横この様床の間(6尺)5 4 3 洋室又は洋風装飾に調和する花

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