テキスト1963
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(むくげ)翌朝咲くつぼみを見前にもお話した様に、切とって全然水揚げないものを強いて活ける必要もないし、切り花にして活けるよいも庭.て咲いた花をながめてごそ美しく感じる花もある。例えば、ふよう、こうしよつきの様に切りとっ花、こんな性質の花を無理に活けるては水揚が悪いが、庭ては美しいことはよくない。さて、ここでは夏より秋へかけての花のうち、水揚の悪いものを選んで、その水揚法を書いて見よう。定めて夕刻に切りとる。熱湯に食塩を入れ、切り口を二分程煮き冷水にうつし、風にあてない様に注意して水揚のお話一夜置き、朝、開花したものを活ける。(ダリア)無駄な葉をとり去り、熱湯て足もとを煮き(一分)切り口を酢につけた後、冷水にうつず。(あさがを、ひるがを)明日咲く花を見定めて、つぼみを切り、足もとを食塩てもみ、そのまま活ける。必ず夜に活ける。朝、花器の中で美しい花がひらく。(はげいと)早朝切りとり足もとを二三分熱湯.て煮く。熱湯の中へ焼酎小量を入れる。後、冷水にうつす。(こうぽね、はす)すてに季節がおそいが、記しておく。この二つの花は水揚が殊に悪いから自分が自ら切りとらねばならない。こうぼねは水揚やすいが、蓮は中々難しい。こうぼねを切りとったならば、左記の薬品を切り口より水揚ポソプ(花器店にある)て注ぎ入れる。Rよもぎ、おおばこ、せきしよう(青楓(はぎ(楓の葉)葉は出来るだけ少く法をとっている植物の個性に合った以上は野原と庭て採集する。Rみようばん、かんしよう。以上は漢薬店にて買う。このA、Bの材料をまぜて、一時間程度熱湯て煮き、青褐色の液汁を造り保存する。―二年は保存がきく。水揚のとき、この液汁を薄めて(こうぼね)の切り口より水揚ポンプ.て葉先まで色の青く変るまてくまなく注入する。すぐ活けてよい。(はす)は早朝に切りとり、足もとを熱湯て二三分間煮く(湯の中へ焼酎を投入)その後、冷水にうつして養い、暫くしてこうぼねと同じ水揚薬の薬汁をポンプで注入する。この様にすると、こうぼねは約ニ日間、はすは一日中、保つことが出来る。(すいれん)みようばんの粉未を揚する前に水切りして、その後、そ(すすき、はまおぎ切(りかる口かにやつけ、るあわ。浮)葉)切にるりはと不っ用て。水れ揚ぞすれるに適間しはた水揚を行う訳であ切口を火になるほど焼き、酷酸又時間の長くかからぬ様に手早く処理は食酢に2分間つけ、後、水にうつすすることが大切である。花器には水(ふき、あきたぶき)のたっぷり入るも(つわぶき、秋海棠切り口を熱湯.て煮く。冷水にうつまた、以上に述べた水揚法を考えして後、茎にたての切り傷を入れ、切り口にアルコールをつける。或はきの類は足もとを火.て焼き、薬品で足もとを砕いて重曹てもむ。処理し、草花の柔い茎のものは熱湯)無駄な葉をとり去りで煮き薬品につけるのが多い。また葉に砂糖水を吹きつけて活ける。茎に穴のあいた草花はそれを利用し)足もとを砕いて焼て、水揚ポソプ.て薬品を葉脈のすみき、アルコール又は重曹をつける。ずみま.て注入して水分を保たせる方する。必要なものを残してとり去.水揚法を施している訳てある。る。足もとを割ってアルコールに二三分つけて後、挿花する。と生灰をまぜて熱湯に入れ、足もとを煮く。後、冷水へうつす。いるが、秋には十月あざみ(田村草)と言うのが野に咲く。あざみは茎が空洞になっているの.て、綿にアルコール又は薄荷油を浸して茎の穴につめ、そのまま活けるとよい。(ばら、野はら)殆ん水揚よいが、足もとを砕いて薄荷油又はアルコールにつけて後、挿花する。以上、夏より秋の花材の水揚法を書いて見たが、さきにのべたようにどの材料ても、先つ新鮮な材料を水、切りとる時刻は朝か夕がよい。て見ると、木質の堅い木ものやすす盆楓紅葉)焼みようばんの粉末(あさみ)これも季節が過ぎて、なるべくのを選ん.て活け枝を曲げるときは材料をやわらかくにぎ、って、レっかりと両手に力を入れ、しかも枝に力を入れてはなりません。材料をよく見つめて呼吸をとめる様な気持.てためる。枝葉を切りとる時は静かに鋏を枝葉の場所に持って行き、切る場所へ鋏が行ったならば、鋏をとめてよく見改めて切ります。鋏をもどすときは軽くずっと引きます。他の枝葉にふれない様に注意する。壺に枝を挿すときは、入れる前に充分、長さ裏表を考えて、正しくT字留をかけゆっくり重々しい感じて壺にさし入れます。枝の株もとが壺の中の目的の場所まで入った時、一呼吸とめる様な気持.て留まる状態を考え、留ったと思ったとき、すっと軽く手を引きます。細山に材料をさすとき、枝をしっかり持って静かに籾山へ持って行きます。さす場所が定ったならばぐっと力を入れて、一呼吸とめる様な気持て挿します。静かに手をはなして留ったと思ったとき、すっと軽く手を引きます。枝を花器から抜きとる時は枝、茎をしっかり持ち静かに少し左右へ廻して、他の枝葉に影響しないかを考えて静かに静かに抜きとります。なれない人はがさがさと手軽く挿し込ん.て、留めることを急いて、留まるごとを考えないので、中々うまく行かないと云うことになります。)る。(3) しおん・しままおぎ⑥ 花鋏・

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