テキスト1963
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で3□rJ桑原専慶流9月中旬より下旬ヘ残暑のやや薄らぐ9月中旬になると、秋の花が咲き出す。新秋と云う言葉にぴったりするほど、みづみづしい色と光沢をたたえて秋の花が咲いて来る。手にとって見るといつれも新鮮なさわやかさが感じられる。いよいよ秋花のジーズンである。山に咲く秋草のジーズン、月は美し人の花は日ごとに色彩を増して行く。9月は夏と秋のうつり変りの季節てこの頃の花材は夏の草や木の実つきもの、野生の秋草、秋菊のは桑原専渓R 吹上菊おみなえし秋菊ひまわりかきつばたばらりんどうほととぎす山菊はげいとはまぎく弁慶草百合の実ぼけの実なたまめむべの実パンパスコスモスじめ、コスモス、ダリア、しおん、はげいとうの様な初秋の香りの高い花が見られる。(和種の草花)けいとう、色けいとう、しおん(実つきもの)つるもどきさんきらいうめもどき日扇の実(秋草の類)とりかぶとふじばかま沢ききようみづひき草星―わ秋海棠南天紫岡れもこう(洋種草花)ガーベラパンパスダリアコスモスカーネージョン大体、以上の様なものがいけばな材料として用いられるoその中にもで羞ん二はげいと)(りんどう)5ひまわり)(すすき)(おみなえし)(コスモス)(沢桔梗〕など九月の花として特徴のある材料てある。秋には洋花の種類が少く、ダリアが9月に人ると大輪咲のものが見られ、花も美しくなり曰持もよくなる。カーネージョンは露地咲のものの残花とガラス栽培のものとの端境期であってよい花は見られない。従って目覚しい洋花は少く、カラジュームの葉が色を増し切花として水揚がよく好ましい。種が咲き出す。今から晩秋まで朱色ピソク、白色の鮮麗な花が咲く。野原の花にヒガソバナが咲く、キツネノカミソリなどと共にアマリリスの種類てあるが、ヒガンバナに野草のイヌコログサを添え単弁の山菊などをあしらうと、秋らしい盛花が作れる。イヌコログサに山菊、りんどう3種の盛花も野趣の深い配合.てあろう。はげいとうの美しい季節であけびある。茎や葉のしっかりと色ついたものを選ん.て、白磁の壺に一種挿に活けるのも季節感の深い花てある。パンパスの穂はいよいよのびやかぎにひろがり、銀色の穂が光を増して.来る。パンパスの葉は鋭く傷つき易かるがやすすきガー・ベラは秋咲の新いので普通は穂だけ使う習慣になっているが、葉も水揚がよいoパンパスに葉けいとう‘)パソパスうめもどき、ダリアtい3種を大ぶり巳空に入れた瓶花も豪華.てあろうダリアを細C花瓶に―二本埠した小品花。さんきらいにダリアの配合。カラジュームにダリ了二腰高ら水盤にダリアを色まじえて一種挿cこれも美しい花てあるすすきに白の大輪菊を添えた瓶打変った配合としてはすすきし葉付のものにグラジオラスを添弓勺すすきにダリアなど意外にいいもの.てある。9月に入ると秋咲のかきつばたが咲き出す。なんてんの縁の実付にかきつばたの紫の花。かきつばた秋海棠の盛花。また、かきつばた、紅山菊の配合も美しい。ぼけの実が風雅に面白い。ぼけに黄中菊、紅萄、白菊をあしらうとよく調和して上品な瓶花となる。これは盛花よりも瓶花がよい。山のさんきらいが赤い実をつける様になる。葉をとり去って菊tp添えて投入れにするとよい調子の花が作れる。おみなえしにわれもこうを添え、山菊を根メにつける籠の投入は、9月の花らしい趣味の花.てあろう。下旬になると梅もどきが色つく。梅もどきは実の多くついたものよりも、まばらに実の少いのが風雅.てある。山葉を添ス、静かな感じの中に如何にも秋らしいいけばなが作れる。旦扇の黒い実がはぜて変った色を見せる。これも季節感の深い詩趣のある材料であろう。四季の花材① 毎月1回発行たは網集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1り63年9月獲行No.12 いけばな

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