テキスト1963
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垂体の花型であるきらいむべ•あわ・つるもどき・ダリアあけび・山吹•さん•こでまよ•い・趣・味り等は大体この様な形に活ける。むべの葉の濃緑、あわの黄褐色.ダリアはポンポン咲の紫赤色巳配合である。花器はコバルト色のトルコ青。ごの頃のダリアは日持が悪い02日もてば充分と云うところであろう。むべとあわをとり合せて、この二種だけにしようと思ったが、どうも色が淋しいので根締めをつけることにしたが、りんどうはこの場合には色が沈ん.て全然引きたたない。その他に調和する花がないので結局、ダリアを入れた、あわとダリアの二種の方がよいかも知れぬと思いながら。この瓶花は渋い花材二種に対し、ダリアの紫赤色と花瓶の群青色て明るさを加えた作品である。花型は右勝手の胴主型て、副、胴のむべ、真のあわ、中間と留にダリアを使ってある。あわの葉は水揚が悪いから殆どとり去って穂だけにして用いた。ガーベラは夏から秋へかけての花である。八月の材料として小品花に活けると感じのよいお花が出来る。一種挿しが一番よく、瓶花の場合も盛花の場合も根締めとしては引立たない花である。しかし、他の材料で同じ程度の力のものと合せるとよく調和する。例えば白花のダリアとガーベラ。カラジェームとガーベラ。と云った様な配合はよいものである。この写真の盛花は、ガーベラの朱色、淡紅色を交えて七本、花型にはとらわれないて、殆ど自然に植生している様な状態て活けてある。基本花型のことは心にかけていないガーベラ一種がその中に、後方深く入れた控の位置、左方へのびた胴の位置など自然に盛花のバランスの中に入っているとも云える。この材料はどこでもある材料.て、季節もこれからの花であるが、活ける上に注意する点は葉の組み方である。野原に咲くたんぽぽの花を思い出して見る。あの花の調子と葉の出方が殆どガーベラとよく似ている。自然に咲いている様に水盤に挿せばこれ程、上手な花型はない。花を高く葉を低く、合わせて左右前後に組ん.て行く。その葉組みの中に空間を美しく作って水際は前方から見てきれいにととの勿論、う様に注意する。相互に対照的に組みガーベラ一種容ojじっかりしたものを選ぶ品もあ「いい御趣味ですね」「あの人の趣味は全くすばらしい」私達の日常会話の中にこんな言葉がかわされることがある。こごで云う「趣味」とは一体なんであろう。広辞苑から索引してみると「趣味」とは、おもしろみ、③い、おもむき、3③い0とにな空趣味の範囲領分はひる<鑑賞し批判する能力、と注釈されている。「いい御趣味」と云う言葉の意味はこの第田の「美を批判する能カ一があなたはすばらしい||と云うことであろう。物を買うとき多くり;m'から品もいを選ぶ。品物の中には実用本位の堅牢一方を考える品物もあるであろう。また体裁は悪くとも内るりしかし若し、あなたの買ものが多少でも美術的な匂いのするものてあったら趣味のよしあしを考えるこ深いもので「すばらしい趣味」得意がってると反対に薄っぺらなものであったり、なんとなく質索かと見える趣味の中に深い味わいを感じる、と云ったことはよくあることてある。さて、いけばなにはごの「いい趣味」が常に必要なのである。ものを正しく批判する能力」がないとよいお花が作れない°いけばなは材料を配合するときに始玄るのだが、このときに「よい趣味」の人はあじわ美的対象をだと「よいむべ,ぁゎ,ダリアダリアは日持が悪いから根メだけとり替えることにしたい。R

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