テキスト1963
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の2本、ななかまどは大葉の種類のグラジオラスは紫赤とクリーム色みやまななかまどてある。花器は黄土色の陶器て、たての線条のある明るい感じの花瓶てある。この瓶花は六月七月に見られる普通の材料て、おけい古の花として適当な配合である。初夏の花らしいさっぱりした材料て日持もよく、活け方も簡単であるから初級の人に向く瓶花であろう。真の位置にグラジオラス2本入れ、副、胴、留にななかまどを入れた。控にななかまどを入れるのもよグラジオラス、。しいがこの写真ては控には入っておらない。この二種の材料は全部、留を使って留めてあるがグラジオラスには竹の細片をさしてT字留にした。この瓶花の特徴は2つの材料が同じ力をもつ組み合せ.て、出来上った感じはさっぱりとした小細工のない大味と云った様な、そんな感じがする。例えば、リークボールたけしまゆりはなしようぶなつはぜてっぽう百合グラジオラスグラジオラスこの様な配合は花型も目然に変って作れるし、大まかな感じが出て夏季の花にはさっぱりとして好まし女郎花T字花器は土器様式三角型水盤てある黄土色に褐色が交ったこの水盤はざらざらとした感じの中に古い壁を見る様な落着がある。あじさいは白、青、紫をまじえた新鮮な感じの材料て葉の緑が濃くみづみづしい。早咲きのききよう4本に、庭から切り取ったばかりの紅しだを一枚加えた。花型はゆったりとした対照型で花器がどっしりとしているので、花型も悠然とひろやかに入れられる。あじさいにも日本種と洋種があるがこれは洋種あじさいて花葉とも堅い感じ.て水揚のよい種類である、しだは切ると水揚のわるいものだが、この紅しだと、洋種のたましだは水揚のよい種類てある。紅しだは何時でもどこでも手近にある材料だから、その中の光沢のある美しいものを選ん.てあしらいにすると、自然風な盛花瓶花にはよく調和するいい材料.てある。この盛花は、あじさいの、副、胴の位置、ききようを中間よい留、控にかけて配列させ、しだは中閤の位置より右方へ流れる様に長く出して、左右均斉の形を作った。静かな落着いた感じの盛花で広問の座敷の板床へても飾ればよい調和だと思っ。(配合例)ためとも百合洋種あざみ小おにゆり河原なでしこなるこゆりべにしだ黒色、半透明の白色て、形の複雑なものは先つよくないものが多い。単純な形のすっきりとしたものを選びたい。こんなに考えると花器として作られたガラス器よいも、食器の類のガラス瓶を利用した方が面白い形が得ゃれることがある。過日、京都のかよう会展に(#沢貴美子さん作)ワイソカップを3個組み合せた装飾花があったが、中々よい考案てガラス器の特徴をよく活かしたよい作品.てあった。工芸品として立派な作品は勿論あって、優れたデザインと重厚な品位のものがあるが、ここには家庭に普通に手軽く用いられるガラス花瓶のごとを考へて見た。ガラス花瓶は透明てあることが特徴であって、これに活けるいけばなも水の中にある花材の茎や葉がすき通って見えることに特別の注意が要る。ガラス器に見える清澄な水と花材の足もとが、特に美しく処理され、ガラス器を通して水中の花材の茎や葉を美しく形づくるために、特別な技法が要る訳てある。例えば、ガラス器の水の中に沈んだダリアの花は、ガラスを通して美しい色彩と清爽な感じをあらわすことが出来るであろう。また大きいガラス鉢に緑のカラジュームの葉を活けた場合、留め方の工夫に依っては足もとを美しく処理することが出来、茎の美しさと新鮮な葉色は盛夏のいけ花として適切な清涼感を出すことが出来る。3 ななかまど桔桔桔梗梗梗洋種あじさし‘しだ.き言よう

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