テキスト1963
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6l3、想像以上に、盛んにこの花を楽んで栽培した時代があります.;丁度、この頃の朝頻の様に江戸末期より明治年代には蓮花の品評会が盛んに行われ、圏芸に熱心な人達に依って珍らしい品種が作られて中々⑦流行であったと云われておりも竿見明治37年7月に発行された「盆地連花集」と云う出版物には62種Q蓮:‘花が紹介されておりまず1また江戸末期には百種以上¢固芸品種があっ九ことや、そ0品名(>,祥細が石i蘊羹義氏編の園芸大辞典に記録されております。ごか様に観賞用として蓮C花か盛んに栽培された昆代があったQてすが、しかし言た一面には伝説い花として、物語C.ー図ー5花として因果はめぐる蓮い花と云った調子で、中々面白いお詰があtJます。蓮,>中に双頭蓮合うとうれん)と云うびがあります)茎の上に二つ°花か別れて咲くと云う珍りしい種類です。亡たこれとは別に妙蓮⑦みようれん)と云って、一本の花こ花弁び中から数箇.言たは数十箇0大小い花があらわれて来る珍らしい種類.て、江戸峙代には生国に数ケ所にご0奇型C,蓮釘花があったらしいのてすが、現在はえだ一所、金沢市釘持明院と云う寺に砂蓮が残存する5み.て、これは天然止念物となっています。双頭蓮の方は名古屋市郊外章田村にあると云う話をききますし、池賀3 これは一太'び県の彦根方面にも一カ所あることをきいておりますが、残念ながらはっきりいたしませんししかし、こ⑦双頭蓮は二つ頭の花から変種して五つ六つ程も花をつけるものもある様ですが、何れの場合も茎は一本.て上の方.て別れて花となるも立てす。大日本史に依りますと「欽明天皇む七年、瑞蓮生ず、一茎二花とありまして、その他「三代実録」或は「喜遊笑覧」その他の古書にも双頭蓮cごとが記されておりますcとに角、奇劉い蓮てありますから、仏教と結びついて種々な伝説となるとは当然てありまして、その中には面白い話があります。徳川家康がそれま.て一ってあった本願寺を二つにわけて納力を分散させる政策のために.そ¢頃、ご⑦二つ頭に咲いた蓮を利用して因果話を政治に利用した詰)吉川英治氏び'「新平家物語」にもご0双韮蓮に関係ぴある文章が挿入されてい言す。杉本健吉氏か双頭蓮び挿絵が週刊朝日にあったのを覚えております。また、さきかお話釘彦根び某家の裏庭0池に咲くと云う双頃蓮にも、淋しい因果詰がついています)いっれにしても仏教に縁のある蓮のこと.てすから、明るい賑かな話がないのも当然てす>池の蓮し花がひらく時に勢のいい音を立てると云う話は一のによく話冦にCjぼるcですが、私の永い間の体験から早朝釘四時五時頃び•池の茫たる田園となっています。中でもそんな音をきくことは全くありませんただ、蓮Q花弁いばらりとひらく状態が如何にもヰ日を立てる様な姿てあることは事実てあい言すし、また、多くQ花C中には花弁が虫ol分泌物に依って開花を妨げられているもらが、花弁びひらく力に依って、急にばっと押しひらく時にかすかな音がするー、ごれはあい得ることだと考えられるのてすが、それも全く稀な原象だと思います。(写真解説)カットの写氏についてつけ加えておきます。ご0写真は約三十年程以前に京都日日新聞社(今の京都新聞はこの京曰と日の出新聞が合同して創立されたもの)の主催,て行われた蓮のいけばな臨池講習会(講師、桑原専渓)のスナップ写真.てす。京日新聞社写真班撮影のこの写真は、只今となっては大変珍らしいもので、その頃のおぐらの蓮切りの風景を伝える貴重な写真てないかと思います。御婦人達の服装によくお目をとめて御覧下さい。只今とは随分違う感覚てす。蓮池のまっただ中へ舟を入れて好みのままの蓮を切って、やがて岸辺へ帰います。名位の会員が集って約30隻の舟に乗って池へ出ました。この池も今は広五月に入ると睡蓮が咲きはじめます。五月が盛李て七月に入ると残花となります。すいれんは日本種のものと洋種のものとがあります。この写真にある様なすいれんが普通に見られるものですが、これは洋種てあって日本種のものは野生で咲き、山野の池沼に自生して花も葉も小さく、白花のものが普通てあります。洋種の花は派手やかに美しく、日本種のものは静にひっそりとした感じて、華麗さはないが高山の沼沢に咲いている姿は全く可隣な感じがします。比良山の高原にやくもが原と云うこの日は百五十湿地帯があります。じむ様な低い草におおわれて、美しい緑の苔が見渡すかぎい高恥`を埋めつくしています。すtヽれん原っばは水りにその年に50センチほどの小川がくさむらの中を流れて、茂みの奥の小さい池へせんせんと音をたてて注ぎ込ん.ています。澄みきったきれいな池水の中に、真夏の頃はうす紫の沢桔梗の花が咲き、流れ込む小川の水に細い茎をゆれさせています。その池に山のすいれんが咲いています。白い花が点々と咲いて清浄幽静と云った惑じをうけます。山のすいれんはこんな場所に咲くの.てす。この池には野生の花菖蒲も咲き、赤紫の溝萩の花、オレソヂ色のかんぞうの花も群落の様にかたまって咲いています。洋種のすいれんは圏芸品種のものてすが、大輪咲のものが多く、色は、白、淡紅交色のものが普通であって私達が見なれている種類です。洋種のすいれんには淡紫色の大輪咲があ@)

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