テキスト1963
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なJJ菊、レンギヨウツバキ、ナタネ、.,A B 垂撥(すいはつ)と云うのはかけ花器をかける掛板のことである。床の間の吃の中央に胴釘が打ってある場合には、かけ軸をとって胴釘にかけ花生をかけ、花を活ける胴釘がない楊合に、壁掛釘花(向うがけ)を活け様とするとき、この垂撥の板を軸のがけ釘にかけ、更に垂撥に仕込んである釘にかけ花生をかける。すいはつは床の間に用いるのみてなく、その他、室内の壁面にかけて花を活けることが出来る。つまり釘のない場所、又は釘の打てない場所にかけ花器をかける場合に使う便利のいい道具てある。垂撥と云うのはその形が琵琶の撥(ばち)の形から思いついたの.て、それが垂れると云う意味で垂撥(すいはつ)と云う名がつけられたの.てある。昔の道具は用途を考えると共にそれが風雅な意匠をともなっていることは感心する次第てある。向う懸の花器は小間の床の間、殊に茶席に用いられることが多い。従って垂揆も茶席の床に用いられる場合が多い訳てある。今は少いが昔は生花展の屏風にかけ花を活けるときこ、もの垂撥を使うことが多かった。垂撥のかけ釘は高くも低くも出来る様にネジの留具がついている。上品な形の道具てあり、また粋な好みの飾り道具てもある。大きさは6尺位のものから3尺位のものま.て種々な大きさがあり、檜、桑、赤杉などの薄い板を材料にしたものが多い。こ。f れんぎようは淡黄の木の花.てある。菊は特殊栽培の淡紅の菊春の花と菊の配合は自然の季節感からはづれた配合だが、便利なこの頃の材料だから美しいものを美しいとして活ける気持である。花器は古備前の壺。すいはつの花は写真の様に左右べ枝葉を出して活けることが多い。古伝に依ると向う懸の花は前方へ枝葉を出すこと、となっており、これは前方へ出す花型は花器が左右へ動かないためである。柱かけの花の様に一方へ出す形を活けるとその反対側に花器が傾く訳で活けにくい訳だが、写真の様に重味のある花器に左右へ枝葉を出す花型を活けたならば花器は安定する訳である。この写真は壁の中央に窓のある変った間どりの部屋だが、その窓の一方の隅の壁面へ垂撥をかけた窓の下に袋棚があり左方に人形箱の飾ってある明るい装飾の部屋.てある。この垂撥は赤杉の板て作ってある。この向うがけの花は小さくまとまった形に人っている。花器は白竹し,荒目の籠て、大振りの籠てあるから花型を小振りにしめて調子をとっA、れんぎよう、菊B、なたね、さざんかこのさざんかは紅色の獅子頭の花て、俗に寒つばきといわれる種類である。なたねとさざんかをつんぐりとまとめて入れたが、左右正面Q三方から裏の出ない様に活ける。この垂撥は桑の板て作った5尺程の大振りのもので、床0間0中央の壁にかけて活けてある。床の間にはこの花一瓶だけの飾り付て畳には何にも置いてない。ガラス器ガラス器は夏の花器だと云われる。全く透明な白ガラスや淡色ガラスは冬には寒々として感じのいいものではない。しかしまっ黒や真赤、その他の濃色のガラス器なれば冬に使っても感じは悪くない。使ってもよい。籠花器籠は夏の花器と云われる。白竹の寵は冬にはよくないが、濃い着色のかごは冬に使ってもよい。褐色の籠にせんりようなど,調和がよ、。し水盤昔は水盤は夏の花器だと云われた。その頃、水盤は水を盛って清爽な感じを見るための花器と云うことであって広口のものが多かったが今は考え方も変り水盤は四季を通じて用いられる。染附花器白磁に藍絵の花瓶をそめつけと云う。そめつけの花器は夏の花器だと云う。清涼な感じの陶器て冬には使いにくい花器てある。そめつけは夏の花器てある。畢t、撼のかけは@

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