テキスト1963
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この写真の花は生花の様に見える。しかし生花にしては上の部分が自然のままの自由な謁子てありすぎる。また右方の曲っているところは、立花の様な技巧てある。立花(リッカ).てはないが立花的な形と自然風の味を加えた花とでも考えられる作品である。出来上ったこOi作品を見ると、なんとなく面白い楽しい花である。これを活けるとき私は考えた。立花と生花と瓶花の約束と型を少しの時間忘れて、何か別のものを作って見ようと。そして意匠のよい、すっきりした上品な作品になる様に。また新しい感じのある花てある様である様に。こんな考え.て花瓶に向ったのだが先つ最初にラッパ水仙の葉に針金をさし込むことにした。立花の様な感じを作るには是非必要な技法.てあるから。白花のラッパ水仙を2本葉組みをこわさづそのままこの瓶花の細いロにつっ込んで直立させた。花の向きを廻しながら格好のよい位置に安定させ、殆んど一ぱいになった花瓶の口へ左方ヘ一枚、前方ヘ一枚、右方へ二枚を(この2枚は写真にある様に曲線を作って曲げてある)に、ひろやかに形のバランスを考えながらさし入れた。これて花器のロ新しい考案のはな立花の様な生花の様な瓶花の様な曲のある葉は「請」と「流枝」とも見上りは大変明るい惑じの花である。のびやかは一ぱいである。右方の2枚は足もとの水際の方法を見はからって曲げ丁度、立花や生花のみづぎわの様に一株にまとめた。これてしっかり留った。あとは水を指しただけである。中央の花は立花の「真」「正真」にあたる。左方の葉は「副」である。中央の方へ出る葉は「胴」。右方のられる。とすると無意識のうちに立花を挿したこととなるが、さて出来これは花器の新様式花瓶を用いたことにも依るが古典的な方法.て針金を人れた葉(左方の葉1、右方の葉2枚)が、古風な様式からはなれて流暢な様な新しい気持を生み出しているからてはないかと、いささか手前味噌ながら、そんなに考えている盗塁ある。さて、この様な作品は立花や生花、瓶花などをよくのみ込ん.てその上に作られた作品.てあって中々難しい花てある。こんな作品を作るためには美しい材料と、技巧、手ぎわよく作ることと、出来上った作品の気品があること、これが肝要なことである。前にも述べたが新しく考え出す意匠はその作者か考えに依って出来上るも釘であるから、余程、注意しないと嫌らしいものになる。自由であることは、自己が独立することであり、作品に対する責任は全部自分に返って来るものであるけに新しい事は難かしい事である。終灼に、針金い人れ方を書いて置半分位の太さ01も01を直にのばして、そ釘尖端に綿を極く小量券き、葉の中心へ挿して行く。勢よくさす方が正しくよく入るも01.てある。葉先まで入れるこの作品は臼裔花の部類に属するCJU水仙床の間の書院窓は出書院、附書院、飾書院、あかり書院などと云って。伝統的な床の間の形式だが、そのはじめは、ここを文台に使って書を読むところ、文を読むところとして実用的で作られたのだった。その後は本来の目的も変わり床の間の装飾の場所として、また一方には光のとり入れ口としての役目を果すこととなった。書院には書物置物の類(装飾物)を飾り或はいけばなを飾る場所として用いられる。ここへ飾るいけばなは狭い場所であるごと後より光線の入ることを考えて、それにふさわしそれだ書院の花し、.oい花を入れる事が大切であるe小品のいけばなて、しかも感じらしっかりとしセ花。そんな花を入れたいと思うの.てある。生花なれば万年青、杜若、水仙の様な上品な葉組もの、或は大輪菊3本程度の花。瓶花盛花の場合も同じ意味で小品ながら色調の強い花、大輪の美しい花、何か特徴をもつ花。そんな気持のいけばなを飾るのがよい。花器も小さくとも引しまりのある形、強い色晶の壺、古銅ol花瓶など小品ながら重旦感のある花器を用いると調和がよい。床板の十には薄枝をしかずに花瓶を置く。書院に花を活けた場合には本床には花を飾らずごの小品花―つを装飾にするのがよすいせん書院の花....._,,.)針金は合]い色)マッチG軸の⑥

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