テキスト1963

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3月から4月はじめ今年の冬は随分寒かった。厳しい冬は私達いけばな人にいろいろな影響をもたらす。今年はよい例だが、先づ第一に花材の値段が高い。新年に入って材料費が三割程度も高騰したのは皆様御承知の通り。何故高くなったのかと考えると、これは蕗地の花材、自然の季節の材料が成育しないこと、山や野外の材料が採集しにくかったこと、例えば菜種の様な材料が殆ど少なかったこと。こんな③ る。訳で当然、温室花にたよることとなって品不足になる。値段が上ると云うこととなる。従って今春はお稽古花も中々高くつ＜ーと云う訳であ三月に入ると季節も常態に回復するだろうし、いわゆる水温むジーズソとなり、花材も追々豊かになることであろう。3月は温室oj最盛期であり花の種類も多い。自然の木の枝も葉も新しい春の色を加えて如何にもみづみづしい感じである。私達が花材を手に持ったときに自然のうつり変りを深く感じる。3月より4月はじめにかけて好ましい花材を考えて見よう。春は木の花の多いジーズンであるが、さくら、桃、木蓮、つばき、など数多い中にも特徴のあるのは、さくら、桃てあろう。さくらは彼岸桜．八重の里桜、山桜、ふさ桜などそれぞれ個性の異ったものだ、温室咲から目然咲まで、さくらりいけ花はあまり賑かすぎない様に活けることし根メも派手なものを入れない様にする。桜の賑かな花には、麦の青芽を添え野菊い早咲のやさしい花を添ぇ、或はやぶ椿0つぼみの濃い赤を添え、温室咲のばいもの緑をあしらうのも静かに風雅であろう。賑やかな材料には落着のあるあしらいをつける、と云った考え方がよい。また瓶花の場合に満開の八重ざくらを一種挿にする。これは少しむ、つかしいが花を引きたてる扱い方てある。桃の花も種類が多い。温室咲の白赤の八重一重｀．自然咲の紅白色まじりい花、単弁のうす紅、或はから桃と云て倭小屈曲Q枝振の種類て、これは花が多くついており淡紅と白色がある。桃はどの種類も枝振がつんつんとして普通に考える様な、よい形のものが少いものである。しかしこのぬっとした形の中に特徴のある姿を見出して花器におさめることが大切なので、巧く活けると中々面白い姿の花が作れる。菜種の根メは平凡，て、ごれはやめた方がよい。ラッパ水仙、チューリップ、カユー、ばいも、などは調和よく、紅桃にやぶ椿の赤は好ましい取合せである。生花には一種挿、つばき、ラッパ水仙なQ9しどのあしらいがよい。ぼけの花には朱色、白、紅白交色の種類が多いが、いづれも好ましい材料で、瓶花にも盛花にも用いたい材料てある二采種．ラッパ水仙、白百合、椿り．知、．ばいも、アイリスなど認和よく、青芽い麦なども好言しり或は温室しカラジュームc菜を2枚ほどあしらうと云ったCも浚った感じの配合であろう青芽のたれ柳．木いちご、雪柳、雲竜柳など主材として季節感°深い材料である。洋花にはスイトピー、チュi'リップ、ラッパ水仙、カュー、フリージャ、など春らしい感じの花てある。花木に草花の根メをつけたり、若芽のかんぼくや新芽の樹木に草花をつけるのは、瓶花盛花の普通の配合考え方だが、また趣を変えて！木の花に木の若芽を添え、草花に草花を添える様な行き方は変った感じを出すことが出来るものであるから、そんな点にも注意を変えて配材するのがよい。例えば八重咲の紅梅に雲産柳、八重桜に柊の枝を添える。朱色のぼけに葉閾の葉、こんな配合も面白いと思っ。草花の場合も同じである。例えばむぎ、カーネージヨンの二種、なたね、スイトピーの二種、ラッパ水仙、ジネラリャニ種ラッパ水仙、カーネーシヨンニ種、カユウ・カーネージヨン、スプレンゲリー三種、フリージャ、カーネージョソ、なたね三種なたね、野菊、カーネージヨソ三種と云った様に、これは盛花に多い配合だが春の草花の配合として華かに軽快な作品となる。3月初句まで釘冬の感じから．わゆる麗春の明るい色のあるいけ花を作ることが好言しい。3月に人ると杜若の早咲い花が見られる秘になるしまだ、たけも短いがこび季節C杜若は如伺にも新しい春り花を見る感じがしてすがすがしい思いがする。この様な初花は一種挿にして竹器や、好みのよい小さい水盤に1、2本葉を添えて活けると引立つ）生花に活けると引き立つ材料てある)温室咲のアカシヤが黄色び、満開の花をつけて枝も垂れるほど賑かな姿になる。あまりよい形てはない。アカジヤは花の咲かないうちが好ましい。白竹の花器、白竹の籠も季節的にすがすがしくていい感じである。寵花器に朱ぼけにラッパ水仙、杜若1種挿、なたね、スイトピー2種の瓶花など軽やか會てよい調和である。白花の木蓮は好ましい材料てはない。木蓮は四月中旬頃に咲くからす木蓮（黒い紅に緑色の葉のある）がよい。症示木蓮、白木蓮とも上品ないけばな材料ではない。木蓮は青葉まじりのものが一等よい。さんしゅうは生花の材料として殊によく、盛花にはよくない。唐桃（からもも）は珍りしい品種だが、丁度、盆栽の花を見る様にまとまっており、いけばな材料としては趣味のよくない花會てある。R 瓶花四季の花材（ポピー・スプレンゲリー）