テキスト1963
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ーー2月より3月へかけて2月中旬になると種々の木ものが新芽を見せ、春の色が漸くただよい始めます。水仙は満開になって咲き乱れ、南天せんりようなどの冬の実ものは色あせて終をつげています。梅、元日桜、沈丁花、つばき、水仙、なたね、など自然に咲く春の早咲の花がありますが、また一方には山の木の葉が赤褐色に紅葉して美しい色となっています。山椿、つげ、杉、黄金ひば、などは渋い黄褐色に葉色を染めていけ花材料として好ましいものです。讐は大きくなり、つぶらな実が四季の花材②桑原専渓銀色に光り、黒柳、紅柳など、実の色がまっ黒、紅色のものがあい菜種や椿とよい調和てす。紅梅、うす紅梅の咲くのは白梅の終った3月の半ば過ぎでありますが、寒紅梅が今は美しい季節てあり、寒紅梅になたねや椿をあしらった瓶花はこの季節のやさしく美しい取合せです。2月3月は温室の最盛季て綾乱と咲く和花洋花の美しい季節です。従って瓶花盛花の材料として温室花を用いることが多い季節です。旬より4月へかけてはあらゆる花が咲き揃う関係から、いけ花の色調も賑かに派手やかな姿となります。ごのごろは春の木の花もまだ暫の時期で、なんとなく未来を思わせる上品に落着のある姿てあり、従って春の季節の中の最も好ましい季節てあります。木の材料は未だ落着のある色、自然に咲く草花は寒冷にたたかれて渋い黄葉となり、草の葉は浅緑に朋え出る姿てすeその一方に温室花の盛季てありますから、落着いつぽ猫クククク0)た自然の花材も、美しい洋花の色も自由にとり交えて材料に用いられる時期であります。三月中句頃の特徴のある配合を選んて書きますたれ柳、にわとこ又はがく柳、紅つばき(フリーヂヤ)け、金魚草(春ら3月下桃の花その他、温室花を主材として草花を配合したもの、アカジャ、雪柳、沈丁花、木蓮、さんしゅうなど多くの木花、草花を材料として用いることとなります。白百合開花を交えて/白百合開花を交えてばきラッパ水仙金魚草(なたねかゆう(紅椿)白百合なたねチつばき各種三種の鳩合チューリップ(なたね)ラッパ水仙(つばき)つばき(ラッパ水仙)チューリップ(なたね)チューリップ(なたね)ラッパ水仙カーネージョン(なたね)ん)なたね(カーネージョン)ラッパ水仙全玉しだ)フリーヂヤアイリス(なたね)ューリップフリーヂヤ(各一種)リ2本、ばら3本の三種生ですが、せいか生花の新しい解釈(写裏解説)生花(せいか)は伝統の花てす)花型も枝の長さ置きどごろも定っています。この写真の生花は、流儀の伝統的な花格には少し足りないところがあります。しかし今且の新しい感じをもつ生花として、今後はこんな作品が多くなるものと思いまず。一方には伝統の花格を守った生花があり、それとは別に新しい材料を使い、かなり自由な感じの生花を研究することも必要てす。まつ、この生花は材料の配合が変っています。一文字菊2本、ユーカ盛花の配合の様な気持で取合せ、材料の色彩とその感覚は全く新しいものです。技巧は生花の方式をとり形と材料配合は新しい解釈に依る、いわゆる新生花とも云えるもの.てす。花器はトルコ青の線条模様のある壺てこれも明るい感じを補けています。この様に新しい生花に使う花器はこれまてにない新鮮な感じ,ヅも、3を用いねばなりません。(12月30日酒花)類例配合届百合、紅つげ、カーネージョン)(朱ぼけ、ラッパ水仙、アカジャ)(梅もどき、水仙、ばら)(たれ柳、ラッパ水仙、つばき)ょら毎月1回発行桑原専慶流No. 5 ククククク編集発行京都市中京区六角通烏丸西入ククククククク桑原専慶流家元1963年2月痰行(1) いけばな

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