テキスト1963
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意匠花(いしようばな)と云うのは、いけばなの中でも特に意匠的な工夫をこらした花と云う意味です。今日、花道の中には次の様な区分がありまま。立花(りっか)盛花(もりばな)瓶花盆投入花)意匠花(いしようばな)この中て意匠花と云うのは生花、盛花、瓶花を更に意匠的に扱った作品と云うことになります。意匠と云う言葉を「広辞苑」.てしらべて見ましよう。これに依ると意匠とは、「趣向、工夫ーー物品に応用してその外観上の趣味を加え美感を与弓るため、形状、模様、色彩またはその結合について、工夫を加えた新規な装飾的考案」とあります。この様に意匠と云う言葉の意味は、深い芸術的な考案とか、創作があるとかそんな意味てはなくて、ただ見た目に珍りしい工夫とか、美しい装飾的な工夫とかそんな意味の軽生花観意0せいか)3、薄板の上に砂をしき、おとしを埋めてそれに低く軽く小量の草花を挿す。4、背おい籠の形の花器をななめに倒して、その中から草花がのぞいている。5、懸がくの中に花器が仕込んであって、活けた花が絵の様に見える。こんな感じのものです。の昔から花道には、立花、生花の様に形の定った正則な、筋の通ったいけばなが伝って参りましたが、その外に意匠花とも考スられる装飾花の方法がそれと一緒に行われて今日につづいております。花道の古書の中にもこの傾向のものが見うけられます。この頃、いけばな展を見に行きますと、こんな性質の意匠花の作品が案外多く出品されています。これも花道の―つの姿てありますが、その考王方は軽く甘く或は粋好みと云いますか、その程度の作品で花道てはこれを意匠花と呼んで、瓶花盛花とは別に考弓ることとなっております。こんな工夫は踪として面白く即興的な感じがあって、いいなと感じることもありますが、この種の作品は作者の趣味教養に依って作品のよしあしがすぐ現れるもの.て、花展出品のものには概して俗悪なものが多い様です。意匠花を作るのだったら、しやれた考案、すっきりとした意匠.てありたいと思います。当流ては意匠花を作る人は少い様であります。当流の花は作品の中に常に気品のあることを考をますから、これと相いれないのも当然です。然し、時としてこの様な軽い気持の意匠も決して悪くないと思います。ただ以上にのべた様にすっきりとした意匠花をつくりた桃山時代いものです。写真の作品は果物(洋梨)にブーバリヂヤーを配合した意匠作品です。野菜の姿の面白いもの、果ものの色の美しいもの、木の実、草の根などの形の変ったものを盆や鉢に盛り合せて床飾りとする方法を「盛りもの」と云って江戸時代から床の間の装飾に用いられております。南画、で、その方面の装飾に多く用いられ盆栽、煎茶などの趣味と一致するのておりますが、今日.ては殆ど見ることも少くなりました。しかし、これを新しい考ス方でとり上げて見ると案外、美しく明るい感じのものが作れます。果ものの中には、トマト、爪の類柿、ぶどうなど色彩の美しいものがぁもますから、これに洋種の花や観葉植物、又は和種の花葉の中にも大輪の美しい花を選んで盛り合せると、大変趣味のいい近代感覚のある「観賞果」が出来上ります。これはさきにのべた意匠花の中に入るもの.てすが「観賞果」として別に考えられるものてす。昔の盛りものは万年青の根、柿、蓮根などの様な渋い趣味のものが多かったのですが、取材を考えて新しい趣味のものを作るとよいと思います。特に色彩の配合に注意します。写真の花。ブーバリヂャーは赤色の花。・梨はさびた黄色てす。緑の葉が黒色の塗板に美しく調和しています。梨の後方に水の入る籾山を置きそれにプーバリヂャーを挿してあります。形のつくり方はどんな形.ても自由.てす。観賞果2 1 をま灼所をつ趣こ花あも究とす夫オ作匠形しこ的いうなれい‘ ‘例しせ意まが与さ向の‘意りののしがをブ品花式つれな立けこ趣と花感草箕美洋をてん匠す意えりが意と匠まで結た‘重ゼてのがか等工花ばと向同適じ花^し酒あ作°花゜匠ると見味云花せ‘果根こね工は様定りの夫‘なにエじてのをみい瓶げる各は花のしるのいはん思を底れて賞匠果花(5) ~~>i{i■■■—iii!~!゜

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