1962
19/27

(花材)ガーベラの花と葉、岩かかみ又は雪柳の紅葉。(花材)ダリア、どうだんの紅葉、又は雪柳の紅葉。この程度の配合なれば色彩的にも美しく調和する材料だと思います。以上の各種の例題を基本として配合を考えたなら、紅葉を色彩的にも美しく用いられ、趣味のよいいけばなが作れます。秋は御承知の様に木や草の実の多い季節であるから、実ものと紅葉黄葉をとり交へ、あしらいの配合を考えたならば落着のいいお花が出来ると思っ。秋の実ものの材料を御参考までに書いておきましよう。秋の実ものの材料さんきらい、はぶそう、いいぎり、ななかまど、さんざし、きささげ、こむらさき、しようぶ、のいばら、うめもどき、はしばみ、こぶし、かきつばた、たらよう、つばき、かくれみの、もちの木、うばゆり、からみづき、にしきぎ、きりの実、さんしゅう、ひおおぎ、むしかり、からすの枕、つる梅もどき、かき、紫しきぶ、リーガルリリー、白やまぶき、ふじの実、せんだん、百合の実、はまなす、茶の木、まゆみ、ぼけの実、さねかづら、はす、ばらの実、やしようび、かりん、春らん、前後、紅葉の美しいのは11月15且郎後てある。所によって違うが先つそれが標準.てあろう。菊山菊が多くなり色の変ったものが多くなる。紅葉実ものの多い季節.てかな感じのものが多い。さより缶}も落つき渋く野趣のある作品が作れる季節である。菊が豊かに咲き揃うのは10月20日11月に入ると小この頃のいけばなは落つきのある静10月の豊かいけばな材料を考えて見ると、11月は晩秋初冬の感じの深い材料がぼつぼつ出て来るし季節のうつり変り晩秋のいけばなくら、椿の早咲、さざんか、水仙の早咲、寒牡丹、秋咲杜若、なたね早める材料と云ったものが見られる様になる。実ものの梅もどき、木々の紅葉黄葉も11月だけの材料といって深い花材.てある,その他、行李柳、赤芽柳の様に生花の材料として好ましい枝ものも花屋の店頭に段々多くなってくる。生花(セイカ)の材料には、寒さくら、行李柳、赤芽柳、雪柳紅葉、さざんか、水仙、など技術のむづかしい勉強になる材料が多い。さざんかは季節感の深い材料だが生花には案外折れやすい。寒さくらはよくためがき、手を入れれば楽しい生花を作ることが出来るが、枝さばきの美しい花を作るには相当な技巧が要る。梅もどきに菊をあしらった生花も初冬の感じの深いものである。また行李柳の葉の少し残った枝を美し<揃えて生けるのも落ついて楽しいもの。紅葉のにしき木。南天に小菊をつけて水盤に入れる。杜若の返り花を冬の扱に活ける。菊の一種挿二を感じる季節であ種挿。小菊の小品生花。万年青も色る。例えば、寒さづいて来る。水仙二本三本、水盤に活けるのも上品.てある。瓶花盛花の材料も変ったものの多い季節であって紅葉黄葉の種類は多いし実ものの面白い姿の草木がふん咲、冬至梅、の様だんにある。芦の枯葉、すすきの紅に11月から咲き始葉、ぼけ、つつじの返り花、杜若りんどうの残花、つわぶきの黄花、寒牡丹なたねなど季節の花を二種二種の盛花に入れる。根メには大輪菊もよいが山菊の単弁の花も落ついて上品てある。すすき紅葉、水引、貴船菊、白花いい程、季節感のりんどう、山菊など秋の草花を集めて名残の感じを籠人れにするのもよい。椿のかけ花、なたねの一種盛花、鶴首の花瓶に水仙を一本入れたのも初冬の感じが深い。珍らしい花に冬至梅がある。せいひ椿、紅菊などよく調和するであろう。菊の濃い朱色に淡い黄色それヘテッポウユリ一本の盛花も明るい感じである。ダリアの残花を首短かく水盤に入れ菜種をつけた盛花。バラ、紅葉の岩かがみ。ガーベラも美しい色のものがあるからポソポン咲の洋菊と二種て入れるのもよい調和てある。紅葉雪柳に白玉つばき、又はテッポウユリ、又は菊のたぐいはどれをあしらってもよく調和する。なたねが新鮮な黄色て咲き出す。葉の黄みどりもすがすがしく美しいが、やはり春の花て此頃には何となくしっくりと落つかぬ感じがする。しかしガーベラと取合せて盛花に活けると馬和がよよい。カーネージョソも秋咲きの美しい花が咲くが普通の菊には調和が悪く、白色のポンポン咲の菊の様な明るいものには調和する。案外‘柿の紅葉にカーネージョン‘云った様な配合もいいものである。自然の草木と温室づくりの洋花てはあるが、色とか形とかに調和する点があるものである。例えば、すすきにカーネージョン。まんさく紅葉にダリア。老松にグラジオラス、と云った配合は反対の趣味のもの.てあり乍ら、色とか形の中に調和する感じがあるものてある。私達は花材を配合するとき、一方だけに片寄りず花材のもつ性質と外面の形、色などをよく見て、自由なひろい気持.て変化のある材料配合を考えたいものである。嫌な材料、悪趨味の花材こんな花はやめたい材料悪趣味の加工品、活けても引きたたぬ花、つまらぬ花材、香の悪い花、有番植物、こんな性質のものが花屋によくあるものです。気のつくままにこの欄に書きつづけます。(五色とうがらし)黄赤紫色の交った観賞とうがらし。(くまたからんの葉)黄と緑のしまがある。水揚が悪い。(染色カーネージョン)植物性インキを吸わせた淡青色。⑦

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る