1962
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「散姫」—チリヒメー「荒獅子」ーアラジジ(B—)色「初嵐」ーハツアラジー「雪箕」ーユキミノ・|白色の花てやや大輪咲です。白のボクハンとも云われよく似ています。単弁の中心に少し荒いかやくがおどっています。単弁獅子咲゜紅色八重の小輪咲です。サザンカの獅子がしらとよく似た小さい花の八重咲で、11月頃より咲き、樹は6尺程度です。サザンカの獅子かしらと間違われやすい。花の中心にかやくのおどった獅子咲。紅色をおび葉はやや荒い鋸葉てある。六七尺程度の樹。4月頃まで咲く。「秋の山」ーアキノヤマー中輪の一重咲。やや白味をおびた淡紅色に紅色の線が入っている。中輪の一輪咲。ちょこ咲の小型の花。葉は尖っている。「太郎魔」ータロアソー淡紅色の一重咲。梅芯咲(梅のにおいの様に茶せん型のジベ)。中旬より咲く。このつばきは11月13日の京都の光悦忌に茶花としてよく11月頃より11月要てす。ことです。品のよい感じてしかも明見うける。この頃はまだ京都ては咲かないので恐らく名古屋辺りの持参の花らしい。以上が大体、秋に咲くつばきの種類であります。三、四月になると春のつばきが数多く咲きますが、ごれは次の機会に稿を新にして書くこととしましよう。さて、つばきの親類筋の山茶花ですが、これは秋より冬へかけて咲くのは御存知の通り。淡紅、白、紅の花がいけ花材料として用いられます。白の八重咲を「富士の峯」と云い、紅の八重咲は「獅子がしら」と云って、この種類は二月頃まて雪の降り積る中にも咲く可愛りしい花です。「寒つばき」と云う言葉がよく使われますが、これは獅子がしらの山茶花の花のことで、大寒の頃にまっ盛りとなるのでこの名があります。2、いけばなのつばき(瓶花・盛花)いけばな材料としてのつばきは、何んと云ってもその日本的な気品、落着を作品の中にあらわすことが必特に考えたいのは、椿のいけばなと云うとなんとなく渋い感じのものが多く、明るい調子のいけ花が少いるい調子も盛り込むと云った、そんな格のいけ花も必要であります。また花型から云いますと、つばきは首短かく小さい花瓶に挿す生け方が最も引き立もます。一種挿の小品花として、一、二輪の花に葉を五六枚つけた枝を軽く挿す投入。そんな感じがすっきりしています。合す真A)しかし、他の材料の根メとしてつばきを用いる場合は、分量も少し多く入れ形もやや、復雑になります。この場合、椿の葉がむらがっていますから、主材となる材料はこれと反対の性質の枝のまばらな木もの枝ものが調和がよい。梅、ろうばい、谷桑、はしばみの様な葉のない木ものに葉のたっぷりとした椿をつけると調和がよい。ことに盛花には少し葉のむらがっているのもよい感じに見えるものです。どの場合も椿はあしらいの気持がよく、主材の様に派手な入れ方はよくありません。殊に上の方へひろげて生ける様な花型は品格のよくないものです。若しこれを明るい感じに生け様とする場合には花型を派手に生けるのではなくて、強い色調の花瓶を選び、美しい色のつばきを引しめて生ける様な入れ方がよいと思いまず。古典のいけばな「立花」ーりっかーに棒を用いる場合には、前置の低い場所につけるものと定めてあるのは、こんな点に注意したものと考えられます。しかし、とも場所に置くと大変引き立つもので、大きい作品に負けない程の感じを出すことが出来ます。つばきを小品の花瓶に挿して飾り付けると、その部屋がぐっと引きしまる程の力をもつ生花となります。花器も渋い花器だけではなく新しい色調のしかも落着ある花瓶。強い色の例えばトルコ青の様な紫交趾の様な深い色の陶器。きんようの花瓶、明るい土器様式の花瓶、こんな壺に挿けたいものです。濃い褐色の壺、つばきのいけ花は小さく濃い緑色、黒ずんB こ。ナだ壺、この様な花器は椿の葉と調和が悪く引立ちません。籠の花器は椿には調和悪く、竹の細い筒、一重切、きぬた、旅枕などにはよく調和しますが、いささか定り型と云える。写真は椿の小品花です。花器は紫交趾(ムラサキコーチ)の鶴首と云う花瓶てす。まくず永楽の陶器て格調の高い感じのものです。は渋い落着のある紫色、口辺に金色の線条が入っています。これに椿の紅の花、緑の葉が軽く挿してあり、さきにのべた様に上品な感じの中に明る<美しい色彩をもつ小品花.てす。無駄な花や葉を入れないですっきりとした惑じを出そうとしまし写真は椿の盛花です。この写真は春の椿て「オトメッバキ」です。オトメツバキは四月に咲く花.て八重咲の淡紅と白色の二種があります。白色のオトメツバキはその形がまる<、はなびらが玉の様に重なっていますの.て、これを「白玉つばき」と云うー|説もあります。水仙はラッパ水仙.て12月末より温室咲のものがあります。こい盛花は四月の材料ですがこれと同じ花型て水仙の早咲きと妙蓮寺つばきを材料とすると11月頃より生けられます。(A)R

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