1962
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り、つばきの品種の多いのは世界てー、秋のつばき禅寺の書院につばきの花が静かな-ンチックになって来ます。雪つばき感じて生けてある。やや小暗い茶席一と云うのは北陸の冬に咲く野生の山のかけ花のつばき。こんなのは私達がつばきの花に寄せる型通りの感懐といえます。全くつばきは落着いた静かな感じの花です。しかしアメリカでは東洋原産のこのつばきを、数十種類も品種を集めて栽培されておも有数と云われておるのを聞くと、/ ばき、など連想するといよいよロマものです。けて、ずっと咲きつづける花ですが、つばきは幽立な花だとか、静寂な感じとか、そんな感じだけに閉じこもって居れない様な広い視野が見えて来ます。オペラで有名な椿姫のつばき、新潟県、長野県などの山地に咲く雪つつばきで色は赤、早春の頃、雪をかぶって咲くつばきて珍らしい品種のつばきは11月頃から春4月頃にかここでは11月から12月、初冬に咲きはじめるいわゆる「秋のつばき」についていろいろ話して見ましよう。10月の下旬から花屋て見かけられの様に茶せん型のひろがり重なっその前につばきは普通「椿」と書きますが、これは「山茶」と書くのが正しいのです。「山茶」と書いてツバキと発音します。つばきの親類の山茶花ーさざんかーこれは「茶山花」と書いてーさざんかーと発音するのが正しいのですが、只今ては山茶花と字が転移して一般に通用しています。このーさざんかーは一名ヒメツバキとも云います。つばきは品種の多いもので、東洋(主として日本、中国)が原産地と云われており、戦前てはアメリカに五六十種、曰本に三四十種と逆に日A 本が少かったのですが、最近、園芸の発展に依ってここ数年前より日本にある品種が増して来ました。今年春、京都園芸倶楽部が主催の「つばき展」に出品された品種は約四00種にものぼっておりますが、これも厳密につきつめると百種類ほどだと云われております。「白玉つばき」ージラタマツバキーるのは「白玉つばき」です。白玉つばきは白花てつぼみが玉の様にまるい形をしているのて白玉つばきと云われますが、花が咲くと中のジペが梅芯ーバイジソーと云って梅のジベた、ジベのあるのが特徴となっています。花の形の長細い白椿は白玉つばきとは云いません。「神楽つばき」ーカグラーこれは白赤の色の交ったふ入の花弁が重なりあって、獅子咲となった八重咲つばきて、11月頃より春4月頃まで咲きます。一名、太神楽とも云います。(ダイカグラ)「青緋つばき」ーセイヒー神楽とよく内ているので混同され易いが、神楽にくらべて花弁がやや少く咲く時期は神楽と同じく11月頃より4月頃まて。かぐらとせいひは素人目には一緒に見られやすいが、その花の終る頃にはかぐらは紫色をおびてしおれ、せいひは赤のままてしおれると云います。「妙蓮寺」ーミヨウレンヂー単弁の濃紅色の花。大輪咲で美しい花色をしています。この花も11月より春かけて咲き、節です。ミヨウレソヂは京都市寺の内堀川西入妙蓮寺に古来咲きつづける紅椿で寺名を花の名につけたものです。約四百年前より伝った椿.てすが、先年火災のためにこの椿の樹も焼け今ては少し残存している程度となりました。この花は全国にある品種てすが、3月が満開の季秋より年末にかけて花屋の店頭で見られ、一般に生ける機会の多いつばき.てす。花器に入れてからも大きく咲き葉色も美しくいけ花材料として好ましいつばきてす。「有楽つばき」ーウラクー俗に花屋ワビスケと呼ばれています。淡紅の長いつぼみの花て、葉も細く尖っています。店頭てよく見かけられる品種てす。咲くとぽろりと花が落ちやすい。色は明るいが品格の乏しい花です。京都東山高台寺畔、月心院に沢山あり、街路から塀を越してよく見えます。以上が秋より年の内に咲く最も一見かけられる種類のものです。次に少し珍らしい品種のものを書いて見ましよう。利休の家僕、卜伴と云う人が作り出したつばきだと云われています。やや小型の中輪咲で、赤色の濃い単弁のはなびらの中に、同じ赤色の獅子咲のかやくがあります。日光月光と云う別種のつばきがありますが、その日光(じっこう)によく似ています。奈良万葉植物園にこの椿が10本ほどあります。花も葉もしづかに上品な形をしています。「卜伴」ーボクハソー③ 12月末に花屋の般的なつばきです。花屋の店頭.てもつばき/ /

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